ちょっと岩手県の外来魚に対する姿勢を勉強してみました。リリ禁に関する内容です。検索かけまくって、やっと理解できました。何せ古い情報ばかりヒットするもので、最新情報を探し当てるのにメチャメチャ時間掛かりました
大まかに説明いたしますと、バス釣りに関する大きな罰則を伴う規則は二つあります。一つ目は『岩手県内水面漁業調整規則 第32条の2』で概要は「移植の禁止、罰則は6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金」です。この規則は漁業権設定河川と北上川の四十四田橋下流から宮城県堺までに適用されるようです。まっ、昨今の世情を考えると納得です。
しかし、これだけ見ると「じゃあ、ため池や漁業権設定のないダムとか河川は良いの?」と思ってしまいそうですが、二つ目の規則(と言うか指示)が有ります。
それは『岩手県内水面漁場管理委員会指示 第2号』というもので、概要は「定めた区域でバス類・ブルーギルを採捕した者は、定めた区域で放したり生かしたまま持ち出してはならない」です。罰則は明記されていないようですが、知事が罰則として懲役や罰金を科す権限を持っています。この指示のポイントは定めた区域と言う箇所で、その区域とは「個人所有地を除く、県内の公共用水面及び、これと連接一体を成す水面」です。早い話が岩手県内の水域全部が生きたままの持ち出しは当然として、キャッチアンドリリースも禁止です。
古い情報では、この二つ目の指示なるものは適用期間が、平成19年4月1日から平成21年3月31日でしたが、今年・平成21年4月1日から平成23年3月31日までに更新されてます。2年ごとに見直す事になってますが、きっと更新・更新で永久に廃止にはしないつもりでしょう
この問題について啓蒙を目的とした多くのサイトや記事では、「バスはちゃんと調理すると美味しいので、釣ったら持ち帰って食べましょう。」と言ってます。「食べましょう。」言われても、魚嫌いで肉派の人達には無理ですよねぇ。頼むから釣り人に無理強いする公平さを欠いた規則、「釣ったら殺せ!条例」=キャッチアンドリリース禁止はヤメテくれぇぇぇ~
『殺処分』と言うのは、子供たちの心の成長に良くは無いと思っております。いくつかの例を挙げますと・・・
パターン1『漁業権未設定河川の魚類採捕禁止区域以外の場所で、ある小学生が釣り好きのクラスメートに誘われ、初めて毛鉤釣りをしてたとします。狙いの本命はヤマメやイワナですが、ウグイやアブラハヤばかり釣れてしまいます(笑)。当然キャッチアンドリリースをしていました。
しばらく釣りを続けていると、ビッグフィッシュが掛りました。今までに味わった事の無い引きです。釣り上げると、学校の先生が言っていたブラックバスでした。釣り好きのクラスメートが言います「ブラックバスは法律でキャッチアンドリリースしちゃいけないんだって。持って帰るしかないね・・・。お母さんに料理してもらいなよ。」と。
初めて釣りをした小学生は、言われるがままに家にブラックバスを持って帰りました。大きい魚なので、未だに興奮冷めやらぬまま、喜びながら母親に「僕が釣ったんだよ!」と、ブラックバスを差し出しました。しかし不幸にもこのお母さんは、スーパーで切り身の魚しか触った事が無く、差し出された魚を見るなり子供を怒鳴りつけました「気持ち悪い!なんでそんなの家に持ってくるの!!捨ててきなさい
」と。
小学生はびっくりしました。褒められると思っていたのに、怒られるとは・・・。小学生は目に涙を溜めながら言いました「でもお母さん、ブラックバスは釣ったら持って帰らないといけないんだよ!捨てるのもリリースするのも法律で禁止されてるんだもん。」。すると怒ったお母さんはさらに怒り、子供にビニール袋を3重にしてブラックバスをそのビニール袋に入れさせ、ゴミ容器に捨てさせました。そして言いました「もう釣りなんか行っちゃ駄目!○△君(釣り好きクラスメート)とも遊んじゃ駄目!!」と。
小学生は悲しかった。心に傷を負いました。トラウマです。素直な小学生は翌朝、学校で釣り好きクラスメートに「昨日家に帰ってから怒られ、もう一緒に遊べない・・・。」と言いました。釣り好き小学生もショックを受け、心に傷を負いました。この二人はその後、疎遠になり友達ではなくなりました。二人とも二度と釣りをすることはありませんでした(悲)。』
フィクションですけど、有りそうな話だと思いませんか?この二人はこの件が無ければ生涯の友となっていたかもしれません。それに釣りを通じて自然とふれあい、学ぶ機会を失いました。
パターン2、ブラックバスを釣り上げる所までは、パターン1と同じです。
『二人は釣ったブラックバスをどうするか悩みました。持って帰ると母親から怒られそうだったので、キャッチアンドリリースしました。すると、それを見ていた中学生グループが近づいてきて言いました。「お前らブラックバスを逃がしただろ?見てたぞ。法律違反だ。警察に言ったら、県知事がお前らを刑務所に入れるぞ。刑務所に行かなかったとしても罰金で何十万円も払わされるぞ。いいのか?黙っててやるから家から1万円持ってこい!」と。小学生はビビリました。心に傷を負いました。言われるがままコッソリ親の財布から1万円を抜き取り、中学生に渡しました。
3年後、その地域で恐喝事件やオヤジ狩り、女性や老人を狙ったひったくり事件が頻発するようになりました。事件が続いた後、犯人が捕まりました。小学生から1万円を巻き上げた中学生グループたちが、高校生グループとなって事件を起こしたのでした。捕まった高校生グループの中には、中学生も混じっていました。3年前に1万円を巻き上げられた小学生たちでした・・・(悲)。』
これもフィクションですけど、無いとは言えなくありませんか?
パターン3、上記2つのパターンも悲惨ですけど、最悪なのがこのパターン3です。ブラックバスを釣り上げるところまでは前のパターンと同じです。
『ブラックバスを釣り上げると、見知らぬ一人の大人が走ってきて言いました「ブラックバスは殺さないと駄目だ。他の魚をみんな食い尽くしてしまうから、法律で殺す事になってるんだ。これは殺処分と言って法律で認められてるんだ。出来ないんだったらその魚、オジサンによこして。」と。小学生たちはブラックバスをオジサンに渡しました。するとオジサンはバスを地面に叩きつけ、踵で力一杯踏みつけました。バスはグチャリと潰れ、内臓が・・・(詳細割愛します)。オジサンが言います「ブラックバスは釣ったら持って帰って喰うか、こうやって殺すんだぞ。」と。小学生は怖かったけど、釣りを続けました。するとまたバスを釣ってしまいました。先ほどのオジサンがまた来て言います「持って帰らないんだったら、さっきオジサンがやったように殺しなさい。」と。言われるがままに小学生はバスを殺処分しました。その時、小学生の心には言葉に出来ない感覚が芽生えました。
10年後、日本犯罪史上類を見ない、凄惨な連続猟奇殺人が起こりました。被害者は女性と子供で、その数は3桁にのぼりました。初めの事件発生から数年後、犯人が捕まりました。もうお分かりですね。10数年前、オジサンにバスの殺処分を教育された小学生でした。取調べに対して犯人は「自分にとって必要ない者を殺処分しただけ・・・」と答えました。皮肉な事に、この事件の被害者の中には、殺処分を教育したオジサンの娘と孫もおりました。』
フィクションでも、無いとは言えません。
昨今、「バス駆除活動に地元小学生数十人が参加して、生物多様性を学び、バスの解剖もやってバスがどれだけ他の生物に影響を及ぼしているか学びました。」などと記事が出ているが、大人の感覚・理論で「殺す事を教える」のが、子供たちの心にどんな作用を及ぼすのか?子供達はそれぞれに、精神発達状況や個人の資質、感受性によって殺処分の受け止め方が様々であろうことは、誰でもお分かりだと思うのですが・・・。「自分ら大人の感覚と同じく受け止めるはずだ」と、考えている勘違いで無知な大人が多過ぎます。
狭い水域で生物多様性を考えるに、「移植」の規制は納得できます。しかし、キャッチアンドリリースを規制することは納得できるものではありません。駆除は必要性を熟考して、それが必要と考える大人達がやればよい。ブラックバスをはじめとする外来生物問題は、それに関わる人達のエゴで法律を作ったり、それを強要してはいけない領域があると思う。子供達を巻き込み、「殺す事」を教育などと言ってやるべきではないし、「殺す事」を子供達や「殺したくない」人達にまで強要する法律など、有ってはならないのである