Keep on smiling ... 明日も笑顔で

波乱万丈の歳月を経て
尚、落ち着けないシニアの日々

晴耕雨読

2015-06-25 17:07:17 | ライフスタイル

 

蒸し暑い東京です

これから先 9月半ばまでの酷暑を思うと

今から気持ちが萎えてしまいそうです・・・

北海道が長かったですからね~

ワンコたちも

暑さに辟易・・・

 

      

駅前に図書館があります

3月にシステムのリニューアルがあって

とても使いやすくなりました

読みたい本をネットで予約したり、

貸出期間の延長もできたりするので

じっくりと読むことができます

 

今 読んでいるのは

『倉本聰の姿勢』という読み応えのある一冊

これまでの作品のこと、 富良野塾のこと、

富良野自然塾のこと、 3.11について、

原発について深く書かれています

 

そもそも先生の大ファンですから

出版されているシナリオや本は殆ど読んでいます

『北の国から』の放送が始まった時期と

私が道東の牧場に嫁いだ時期が一緒です

だから私の家族・親族・友達は

あのドラマを見て私の暮らしを想ったそうです

もっとも、嫁いだ家は当時築4年で

電気も水道も通っていましたけど…(笑)

 

11月に移住し、

すぐに片道一時間半かけて

釧路市の自動車学校へ通い始めました

まだ送迎バスもなく、

通学には一日3往復の路線バスを利用していました

(バスは2006年に廃線となりました)

牧場の周りには何もありません

一番近い隣家まで500m以上離れているし

カーブのある坂道に沿って牧場はあったので

人の気配のするものは自宅しか見えない場所でした

最終のバスが自宅付近を通るのは17:30頃

秋が深まると、 その時刻には真っ暗になります

もちろん外灯もないので月明かりを頼りに歩きました

だから新月の夜の恐怖と言ったら・・・

目の前に人が立っていても分からないくらいの闇って

多分 経験した人は少ないと思うけど

まさにそれでした

道路の真ん中を示す白線がかすかに見えたので

全身に鳥肌を立てながら白線の上を歩いたものです

野生動物の気配と霊気

どっちが怖いのか分からないけど

一気に駆け抜けられる距離までは

恐怖と闘いながら歩いていました

 

倉本先生も同じ体験をされたそうです

新築のお家に初めて一人で泊まられた晩

手違いで電気が通っていなかったそうです

森の中の一軒家で一人ぼっち

きっと髪の毛が一本残らず逆立ちそうな恐怖だったでしょう

 

 

チャリンコに乗って図書館に

予約してあった本を取りに行きました

今度の本は桜木紫乃の『蛇行する月』

釧路出身の作家です

彼女の本も大方読みました

 

駅前までは遠回りして

車のあまり通らない農道を走ることにしています

田植えが済んだ田んぼ

ここでとれるお米、 美味しいんです

今年も豊作でありますように!

 

で、 背後には無人販売所

オクラと玉ねぎを買って200円を箱に入れてきました

ちなみに私が住んでいるのは東京都ですから・・・

 

      

酪農業に25年間 従事しました

結局 身体を壊して

夫との間も上手くいかなくなり

離農したわけですが

年中無休の牧場仕事と

3人の子供たちの子育てと言う

大変な仕事をやり終えた達成感があるので

余り挫折感に苦しむことはなかったです

今 振り返ってみても

とても貴重な体験をさせてもらったと思っています

 

牛や馬の世話をして搾乳する仕事は

稲作や畑作からはかけ離れて見えるけど

農業は全て『土』から始まるという点では同じです

美味しい牛乳は健康な牛から…

健康な牛は美味しい牧草から…

栄養価の高い牧草は土から…

倉本聰さんの本を読んでいると

共感することがとても多いです

共に東京から北海道に移住した同志ですからね~(笑)

 

倉本さんが某国営テレビ局との意見の相違で

東京を飛びだしたというのは有名な話

その時点ではご自身のお言葉だと

『負けて北海道に来たんだよ』

それを聞いた富良野のご友人

『そうだべ、負けたら北だ。 敗北っていうんだから』…だって。

北海道の人は懐が深いから

そんな風に傷ついた人を受け止めてくれるのかもね。

私の場合は夢破れて東京へ戻るから

『敗南』か…

 

それが仮に敗北であったにしても

過疎化が進んでいた富良野に

あれだけの観光客を惹きつけた倉本パワーは凄すぎる

北海道への経済効果は計り知れません

 

転んでもただでは起きない精神は

私の中にも脈々と・・・(笑)