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蒸し暑い東京です
これから先 9月半ばまでの酷暑を思うと
今から気持ちが萎えてしまいそうです・・・
北海道が長かったですからね~
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ワンコたちも
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暑さに辟易・・・
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駅前に図書館があります
3月にシステムのリニューアルがあって
とても使いやすくなりました
読みたい本をネットで予約したり、
貸出期間の延長もできたりするので
じっくりと読むことができます
今 読んでいるのは
『倉本聰の姿勢』という読み応えのある一冊
これまでの作品のこと、 富良野塾のこと、
富良野自然塾のこと、 3.11について、
原発について深く書かれています
そもそも先生の大ファンですから
出版されているシナリオや本は殆ど読んでいます
『北の国から』の放送が始まった時期と
私が道東の牧場に嫁いだ時期が一緒です
だから私の家族・親族・友達は
あのドラマを見て私の暮らしを想ったそうです
もっとも、嫁いだ家は当時築4年で
電気も水道も通っていましたけど…(笑)
11月に移住し、
すぐに片道一時間半かけて
釧路市の自動車学校へ通い始めました
まだ送迎バスもなく、
通学には一日3往復の路線バスを利用していました
(バスは2006年に廃線となりました)
牧場の周りには何もありません
一番近い隣家まで500m以上離れているし
カーブのある坂道に沿って牧場はあったので
人の気配のするものは自宅しか見えない場所でした
最終のバスが自宅付近を通るのは17:30頃
秋が深まると、 その時刻には真っ暗になります
もちろん外灯もないので月明かりを頼りに歩きました
だから新月の夜の恐怖と言ったら・・・
目の前に人が立っていても分からないくらいの闇って
多分 経験した人は少ないと思うけど
まさにそれでした
道路の真ん中を示す白線がかすかに見えたので
全身に鳥肌を立てながら白線の上を歩いたものです
野生動物の気配と霊気
どっちが怖いのか分からないけど
一気に駆け抜けられる距離までは
恐怖と闘いながら歩いていました
倉本先生も同じ体験をされたそうです
新築のお家に初めて一人で泊まられた晩
手違いで電気が通っていなかったそうです
森の中の一軒家で一人ぼっち
きっと髪の毛が一本残らず逆立ちそうな恐怖だったでしょう
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チャリンコに乗って図書館に
予約してあった本を取りに行きました
今度の本は桜木紫乃の『蛇行する月』
釧路出身の作家です
彼女の本も大方読みました
駅前までは遠回りして
車のあまり通らない農道を走ることにしています
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田植えが済んだ田んぼ
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ここでとれるお米、 美味しいんです
今年も豊作でありますように!
で、 背後には無人販売所
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オクラと玉ねぎを買って200円を箱に入れてきました
ちなみに私が住んでいるのは東京都ですから・・・
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酪農業に25年間 従事しました
結局 身体を壊して
夫との間も上手くいかなくなり
離農したわけですが
年中無休の牧場仕事と
3人の子供たちの子育てと言う
大変な仕事をやり終えた達成感があるので
余り挫折感に苦しむことはなかったです
今 振り返ってみても
とても貴重な体験をさせてもらったと思っています
牛や馬の世話をして搾乳する仕事は
稲作や畑作からはかけ離れて見えるけど
農業は全て『土』から始まるという点では同じです
美味しい牛乳は健康な牛から…
健康な牛は美味しい牧草から…
栄養価の高い牧草は土から…
倉本聰さんの本を読んでいると
共感することがとても多いです
共に東京から北海道に移住した同志ですからね~(笑)
倉本さんが某国営テレビ局との意見の相違で
東京を飛びだしたというのは有名な話
その時点ではご自身のお言葉だと
『負けて北海道に来たんだよ』
それを聞いた富良野のご友人
『そうだべ、負けたら北だ。 敗北っていうんだから』…だって。
北海道の人は懐が深いから
そんな風に傷ついた人を受け止めてくれるのかもね。
私の場合は夢破れて東京へ戻るから
『敗南』か…
それが仮に敗北であったにしても
過疎化が進んでいた富良野に
あれだけの観光客を惹きつけた倉本パワーは凄すぎる
北海道への経済効果は計り知れません
転んでもただでは起きない精神は
私の中にも脈々と・・・(笑)