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65才のころ、私は自分の気まぐれのまま生きていました。子供がいないせいもあり、経済的には不自由もなく、薔薇の庭を作り、絵を習っていました。
この絵は、2014年に夫が倒れた年の、薔薇の庭での写真を見て描いたものです。凛子さん65才でした。
実際の私の写真は、こんなにきれいではありませんが、まだ描き慣れていないため、いいように描いてしまうのです。写真を見て、そのままの特徴が描ければいいと思っているのですが、もう少し時間がかかりそうですね。
絵を描いていると、その頃の自分が思っていたことを思いめぐらし、自分の生きてきた様子が少し見えるような気がします。
65才は、私の生きてきた時間に楔が撃ち込まれた年です。気楽に夫との老後を思うというほどでもなく、ただ、毎日その時のことをやっていたという気がします。
死というものがそんなに身近ではなかった頃のお話です。そのとき、夫は亡くなりませんでしたが、その後の夫と私、家族の人生は思ってもいない風に動き始め、こんな風に生きるのは嫌だと何度も思ったことでした。
自分の希望など、小さなごみのように踏みつけられ、世の中の動きや人の思いに振り回されてきたのです。こんな風に生きるのは嫌だというのは、自分が思うように生きられないということでした。
夫はもっとかわいそうでした。病院では少しずつ元気になりつつあったのに、施設に入ってからは、コロナのせいもあり、面会ができなくなって、どっと容体が悪くなりました。
病院へいることはできたのですが、夫がどうしても家に帰りたいといったので、家に連れて帰りました。そうすると、私のほうに負担がかかり、今の病気にかかったということです。結局、夫も私も悪いようになっていきました。
いろいろな辛いことに会いましたが、夫も私もそれを受け入れ、戦ったりもしてきましたから、これが私たちの人生だね、と思うようにしています。
そういうことが起こる前の私の姿がこの絵です。
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