夫と、週1回程度、会うことができます。
会える時間は、10分間、手を握ったり、体に触ったりはできません。会える日も、7日以上開けること、予約が入っていると、10日や2週間くらい会えません。
面会の時間はちょっとしかないのに、夫は、あまり機嫌よくありません。この頃は、以前より機嫌よく、この前23日にあったときは、「こんにちは」と言いました。
私は、夫に、この頃のコロナウイルス感染の状態について、私たちは重症者になる可能性が高いこと、もしそうなったら、面会はできなくなるし、もし死を迎えることになれば、会えないままに別れることになると、伝えました。
夫は、部屋にいるときは、テレビを見ているので、コロナのことを少しは知っていると思います。でも、自分たちが重症者になるかもしれないとか、面会ができないとかは、たぶん知らないだろうと思ったのです。
これから何が起こるかわからないのに、自分の気分で不機嫌になったりしては時間がもったいないだろうと思ったのです。
それで、夫に、コロナのことを話しました。そして、会える時間が少ないのだから、あったときは、笑おうよ、といいました。
夫はちょっと笑い、でも、そのあとは、ずっとむっつりしていました。コロナに感染すると、会えなくなるのだと思って、いやだったのかなと思います。それとも、私に自分の心や態度をとやかく言われるのがいやだったのかもしれません。
これから、面会の時に、どんなふうな態度をとるのかわかりませんが、私は、笑おうと思います。笑った顔を覚えていてほしいので。
毎日、コロナ感染が増えています。重症者も増えているそうです。病院や医療従事者の大変なこともよくわかります。そして、飲食店や観光業者が日々闘っていることも。
コロナウイルスと私たちは、共存しなくてはならないのでしょうから、できるだけ感染予防をして、薬やワクチンのできるのを待たなくてはなりませんね。
看護師さんから、「二人で夫婦漫才やってなさい」と言われたことは、今でも私の慰めです。
亡くなった人を思うとき、その人の表情を思い浮かべますから、よく笑った人の表情はきっと笑顔でしょう。ヒロコさんは、きっとご主人の笑顔を思い出されることでしょう。
私のほうは、夫が、機嫌よく何か話してくれたり、笑顔になったりすることで、喜びをもらっています。私もできるだけ笑顔でいようと思っています。