「それ、なんで流行ってるの?」
原田曜平著、 ディスカヴァー・トゥエンティワン、2017年12月
著者は博報堂のマーケターで、テレビの情報番組にもよく出演している方。
「消費の動力」や「流行のスイッチ」と呼ぶべきものの仕組みや成り立ちを、豊富な事例とともに解説しています。
1、2章は流行の事例と理由。
マイルドヤンキー
トランプ大統領
逃げ恥
君の名は。
インスタグラム
など、本書が出版された2017年当時の流行について、
うまい言葉が見つからなかったり、言いたかったけど言い出せなかった事象を
「そう、それ!」
と思わせたことが流行の要因という話。
「そう、それ!」はマーケティング用語で「インサイト」だそう。
第3章は、
クリエイティブ・ブリーフ
インサイト
プロボジション
などマーケティング用語の解説。
第4章はクリエイティブ・ブリーフを作るための調査方法。
仮説を作るための調査が必要と言っています。
確かに、会社の企画やマーケティングにおいて、
「仮説検証」と一見ロジカルに取り組んでいるようでいて、
仮説自体は思い込みや思いつきからスタートすることが多いように感じます。
最後の第5章は2017年当時の若者特有のインサイト。
1.プチ個性
~叩かれない程度に自己アピールしたい
2.母息子ニーズ
~母親が薦めるものは良いものだ
3.「サイコーにちょうどいい」
~ちょっとだけ背伸びしたものを身につけたい
「叩かれない程度に自己アピールしたい」間接自慢は、
最近では「匂わせ」と言われて叩かれる要因になってきました。
本書で覚えておきたいフレーズ
・日本人は相手の気持ちを洞察する力が、他国の人より備わっている
・国を超えて共通するインサイトが、少なくとも東アジアの若者の間では、存在する時代になった
・何を言っているかじゃなくて、なぜ言っているかに注目しよう