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■北朝鮮に自由の風を送りたい−金聖民代表が報告
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~脱北者の6割以上が外部ラジオを聞いていた~
★金聖民自由北朝鮮放送代表からの報告
私は、16年間、将校として北朝鮮人民軍に勤務した。西岡先生や加藤博さん(北朝鮮難民救援基金事務局長)に会い、拉致問題を知り、金正日には悪事が多いと感じた。それが率直な告白だ。
みなさんは金正日に拉致を認めさせ、金正日を降伏させた。金正日が拉致を認めた時、あいつは悪いやつ、ずるいやつ、ひどいやつと感じた。総連もひどい。
自分の都合ででっちあげと言ったのに、拉致を認めた。
今回、めぐみさんと金英男氏が夫婦だったことが明らかになったのは、粘り強い運動の成果だ。人間の良心を大切にする日本人、韓国人、そして世界の人々に、貴重なメッセージを発したと思う。金正日が詐欺をしていることは皆知っていたが、この金正日をどうしたら屈服させられるかは分からなかった。今回も金正日は最後まですらばくれると思う。北朝鮮については、動物的な勘で分かる。
北朝鮮は国家レベルで緻密に嘘をつくから、NGOが退行するのは難しい。しかし皆さんは勝った。
自由北朝鮮放送は、当初は、インターネット放送局としてスタートした。2003年のことだ。2005年12月6日から短波ラジオ放送を開始した。2006年4月20日からは、妨害されている短波放送を停止し新たに2つの周波数で放送する。6月からは中波放送も開始し、放送時間を30分から1時間に延長する。
2004年から6年に、北朝鮮にいた時に外部のラジオ放送を聞いたことがあるかと、200人の脱北者に聞いた。その結果、2003年に脱北した人の68%、4年が63%、5年が72%の割合で、アメリカのボイス オブ アメリカや自由アジア放送、韓国のKBSを聞いたことがあると答えた。放送を聞いて脱北した人が60%というのはかなり高い割合だ。
また、北朝鮮住民の0.2%が外部の放送を聞いた経験があるという報告もある。0.2%が正しいとすれば、40万人が聞いていることになる。北朝鮮は口コミが発達しており、40万人が聞けばあっという間に噂が広がる。
94年の噂ではこういうのがあった。日本人がねずみのしっぽを集めているという噂だ。精力剤に使うもので、高く売れるという。その直後、北朝鮮住民がねずみとりに走ったことがあった。そして、国境地域のねずみがほとんどいなくなったという。92年から96年にかけて、中国に銅を持っていけば高く売れるという噂があった。言ってみたら高くはなく、1キロ1元もしなかったが、電線を切り取ったり、工場の部品を外して持ち出す洪水のような流れができた。
そこで、口コミに放送で情報を入れて、北朝鮮に民主義の発想を広め、自由化を進めたいと思った。同時に日本の家族会・救う会の助けにもなり、将来、救出の転機を作りたい。既に、西岡先生が毎週10分の番組を放送している。今後は、毎日1回、拉致問題の番組を作りたいと考えている。日本の家族会の皆さんのお気持ちを届けたい。北朝鮮の住民や、党、軍、情報機関の幹部に、メッセージを送っている。
私は脱北者同士会の会長もやっているが、共通の目標は金正日政権の精算だ。
金正日を降伏させ、住民や拉致被害者を助け出すことだ。力を合わせて目標を達成したい。日本委員会の設立に感謝している。
拉致被害者を取り戻すには突破口がいる。金英男さんの拉致報道を見て、知らんぷりの韓国政府も半分くらいは関与し始めた。4月22から28日までの人権週間の最中には、横田早紀江さんが米下院で証言をする。脱北者の代表は上院で証言することになっている。人権という人類の普遍的価値観から訴えれば、アメリカの参加の契機になると思う。悪の金正日から降伏を引出す最もいい手段は人権だと黄長�さんも前から言っていた。その人権問題の核心に日本人、韓国人等の拉致問題がある。
日本に支援の委員会ができたのは嬉しい反面、こんな委員会がソウルでもできていれば日本に来ることはなかったのにという複雑な思いもある。
情報統制が北朝鮮体制維持の秘密だ。北朝鮮で大尉であった時、13歳の女の子を拉致したことを知ったら、反感まではいかなくても金正日政権に疑いをもつと思う。外部情報を遮断しているから北朝鮮が維持されているのだ。韓国は、北朝鮮に外部情報を送ることをやめた。そこで脱北者を集め、お金を集め、2003年に最初のインターネット放送を始めたのだ。
今は、知られるようになったが、始めた時はどうしたらいいか分からなかった。
2004年に初めてインターネット上で実験放送を行ったのは2月16日、金正日の誕生日の日だった。これが朝鮮日報を通じて報道された。2004年4月3日の南北会談で、北朝鮮代表が我々の放送を中断しろと要求した。まだ実験放送の段階だったのに。
あとで日本経由で知ったのだが、金正日は、党を裏切った黄長�や脱北者が放送するというのは許せないと指示を出したそうだ。我々がやると問題になるので第3者を通じて粉砕せよ、という指示だ。
5月18日、放送準備の段階で、家主が突然出ていってくれ、と言い出し、追い出された。平壌ではなくソウルでだ。仲間と涙を流しながら出た。韓国には金正日の指示で動く団体が多い。なぐられて救急車で運ばれたこともある。しかし、おかゆをすすってでもやらねばならないと思った。北朝鮮の同胞には、食べ物より民主主義、自由の情報を送ることが大切だ。
韓総連(韓国の左翼学生全国組織)200人に奇襲デモをかけられたこともある。我々は3人しかいなかった。機動隊がいなければ私はここに来れなかっただろう。何があろうと正しい道を歩みたい。放送局にかかる脅迫電話は数千件、メールは数え切れない。我々は、誇りをもってこの仕事をしているので、私が倒れても別の日とが旗を掲げ続けると思っている。
北朝鮮が頼んだのだと思うが、中国から妨害電波が出た。中国政府は我々のホームページへの接触も遮断している。これは大きな表彰だ。4月からは短波が2つになり、6月からは長波もやる。妨害されてももっとやる。拉致問題にも、この放送を通じて確実な貢献ができると信じている。
★質疑応答
問 口コミの他の例は。
金聖民 太陽政策までの韓国政府は、北朝鮮に向けて気球を揚げ、ビラや物をまいた。これが軍隊の警備地域によく落ちた。すると韓国のお菓子やラーメンはおいしいとの噂が広がり、落ちたとなると必死に取りにいく人が増えた。成�琳は金正日の愛人で金正男の母だが、人妻だったのを金正日が奪った。これが口コミで広がった。噂した人は政治犯収容所で厳しい取調べを受けた。逆に、私は、軍の将校だったが、拉致問題は知らなかった。
問 ラジオの効果は。
金聖民 まだ4か月なので具体的な成果はない。しかし、北朝鮮は4回にわたり放送は許さない、爆破すると脅してきた。これは嫌がっている証拠だ。また妨害電話を出したことも嫌がっている証拠だ。
問 めぐみさんの夫の確定は日韓協力の成果だ。
金聖民 97年にめぐみさんの拉致が明らかになり、韓国の情報機関が調査をし直した。その結果、5人の高校生が出てきた。連携の成果だ。
問 どんな放送をしているか。
金聖民 脱北者の座談会で、中国でどんな苦労をしたかとか、なぜ命がけで脱北したか、貞操まで売りながら中国に隠れ住んだこと、ベトナムやモンゴルルートの話など、自然に分かってもらえるものだ。
◆「自由北朝鮮放送」支援日本委員会について
目 的�「自由北朝鮮放送」を通じて、金正日政権幹部に、拉致被害者救出に対する日本人の不退転の決意と、被害者の保護・救出や情報提供に協力すれば報償を与えることを伝える。
�「自由北朝鮮放送」を通じて、北朝鮮住民に国際社会の動き、民主政治の思想、金正日政権の政治宣伝の嘘を伝え、北朝鮮の自由化に備える。
役 員 顧 問=横田滋・家族会代表、佐藤勝巳・救う会会長、平沼赳夫・拉致議連会長、委員長=西岡 力・救う会常任副会長、理 事=増元照明・家族会事務局長、島田洋一・救う会副会長、平田隆太郎・救う会事務局長、事務局長=山岸丈良・救う会事務局次長
事務局 〒112-0013東京都文京区音羽1-17-11-905救う会内 電話03-3946-5780
FAX03-3946-5784
募金先 郵便振替口座00100-4-14701 救う会(通信欄に「ラジオ」と記入してください)
救う会ニュースより
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~脱北者の6割以上が外部ラジオを聞いていた~
★金聖民自由北朝鮮放送代表からの報告
私は、16年間、将校として北朝鮮人民軍に勤務した。西岡先生や加藤博さん(北朝鮮難民救援基金事務局長)に会い、拉致問題を知り、金正日には悪事が多いと感じた。それが率直な告白だ。
みなさんは金正日に拉致を認めさせ、金正日を降伏させた。金正日が拉致を認めた時、あいつは悪いやつ、ずるいやつ、ひどいやつと感じた。総連もひどい。
自分の都合ででっちあげと言ったのに、拉致を認めた。
今回、めぐみさんと金英男氏が夫婦だったことが明らかになったのは、粘り強い運動の成果だ。人間の良心を大切にする日本人、韓国人、そして世界の人々に、貴重なメッセージを発したと思う。金正日が詐欺をしていることは皆知っていたが、この金正日をどうしたら屈服させられるかは分からなかった。今回も金正日は最後まですらばくれると思う。北朝鮮については、動物的な勘で分かる。
北朝鮮は国家レベルで緻密に嘘をつくから、NGOが退行するのは難しい。しかし皆さんは勝った。
自由北朝鮮放送は、当初は、インターネット放送局としてスタートした。2003年のことだ。2005年12月6日から短波ラジオ放送を開始した。2006年4月20日からは、妨害されている短波放送を停止し新たに2つの周波数で放送する。6月からは中波放送も開始し、放送時間を30分から1時間に延長する。
2004年から6年に、北朝鮮にいた時に外部のラジオ放送を聞いたことがあるかと、200人の脱北者に聞いた。その結果、2003年に脱北した人の68%、4年が63%、5年が72%の割合で、アメリカのボイス オブ アメリカや自由アジア放送、韓国のKBSを聞いたことがあると答えた。放送を聞いて脱北した人が60%というのはかなり高い割合だ。
また、北朝鮮住民の0.2%が外部の放送を聞いた経験があるという報告もある。0.2%が正しいとすれば、40万人が聞いていることになる。北朝鮮は口コミが発達しており、40万人が聞けばあっという間に噂が広がる。
94年の噂ではこういうのがあった。日本人がねずみのしっぽを集めているという噂だ。精力剤に使うもので、高く売れるという。その直後、北朝鮮住民がねずみとりに走ったことがあった。そして、国境地域のねずみがほとんどいなくなったという。92年から96年にかけて、中国に銅を持っていけば高く売れるという噂があった。言ってみたら高くはなく、1キロ1元もしなかったが、電線を切り取ったり、工場の部品を外して持ち出す洪水のような流れができた。
そこで、口コミに放送で情報を入れて、北朝鮮に民主義の発想を広め、自由化を進めたいと思った。同時に日本の家族会・救う会の助けにもなり、将来、救出の転機を作りたい。既に、西岡先生が毎週10分の番組を放送している。今後は、毎日1回、拉致問題の番組を作りたいと考えている。日本の家族会の皆さんのお気持ちを届けたい。北朝鮮の住民や、党、軍、情報機関の幹部に、メッセージを送っている。
私は脱北者同士会の会長もやっているが、共通の目標は金正日政権の精算だ。
金正日を降伏させ、住民や拉致被害者を助け出すことだ。力を合わせて目標を達成したい。日本委員会の設立に感謝している。
拉致被害者を取り戻すには突破口がいる。金英男さんの拉致報道を見て、知らんぷりの韓国政府も半分くらいは関与し始めた。4月22から28日までの人権週間の最中には、横田早紀江さんが米下院で証言をする。脱北者の代表は上院で証言することになっている。人権という人類の普遍的価値観から訴えれば、アメリカの参加の契機になると思う。悪の金正日から降伏を引出す最もいい手段は人権だと黄長�さんも前から言っていた。その人権問題の核心に日本人、韓国人等の拉致問題がある。
日本に支援の委員会ができたのは嬉しい反面、こんな委員会がソウルでもできていれば日本に来ることはなかったのにという複雑な思いもある。
情報統制が北朝鮮体制維持の秘密だ。北朝鮮で大尉であった時、13歳の女の子を拉致したことを知ったら、反感まではいかなくても金正日政権に疑いをもつと思う。外部情報を遮断しているから北朝鮮が維持されているのだ。韓国は、北朝鮮に外部情報を送ることをやめた。そこで脱北者を集め、お金を集め、2003年に最初のインターネット放送を始めたのだ。
今は、知られるようになったが、始めた時はどうしたらいいか分からなかった。
2004年に初めてインターネット上で実験放送を行ったのは2月16日、金正日の誕生日の日だった。これが朝鮮日報を通じて報道された。2004年4月3日の南北会談で、北朝鮮代表が我々の放送を中断しろと要求した。まだ実験放送の段階だったのに。
あとで日本経由で知ったのだが、金正日は、党を裏切った黄長�や脱北者が放送するというのは許せないと指示を出したそうだ。我々がやると問題になるので第3者を通じて粉砕せよ、という指示だ。
5月18日、放送準備の段階で、家主が突然出ていってくれ、と言い出し、追い出された。平壌ではなくソウルでだ。仲間と涙を流しながら出た。韓国には金正日の指示で動く団体が多い。なぐられて救急車で運ばれたこともある。しかし、おかゆをすすってでもやらねばならないと思った。北朝鮮の同胞には、食べ物より民主主義、自由の情報を送ることが大切だ。
韓総連(韓国の左翼学生全国組織)200人に奇襲デモをかけられたこともある。我々は3人しかいなかった。機動隊がいなければ私はここに来れなかっただろう。何があろうと正しい道を歩みたい。放送局にかかる脅迫電話は数千件、メールは数え切れない。我々は、誇りをもってこの仕事をしているので、私が倒れても別の日とが旗を掲げ続けると思っている。
北朝鮮が頼んだのだと思うが、中国から妨害電波が出た。中国政府は我々のホームページへの接触も遮断している。これは大きな表彰だ。4月からは短波が2つになり、6月からは長波もやる。妨害されてももっとやる。拉致問題にも、この放送を通じて確実な貢献ができると信じている。
★質疑応答
問 口コミの他の例は。
金聖民 太陽政策までの韓国政府は、北朝鮮に向けて気球を揚げ、ビラや物をまいた。これが軍隊の警備地域によく落ちた。すると韓国のお菓子やラーメンはおいしいとの噂が広がり、落ちたとなると必死に取りにいく人が増えた。成�琳は金正日の愛人で金正男の母だが、人妻だったのを金正日が奪った。これが口コミで広がった。噂した人は政治犯収容所で厳しい取調べを受けた。逆に、私は、軍の将校だったが、拉致問題は知らなかった。
問 ラジオの効果は。
金聖民 まだ4か月なので具体的な成果はない。しかし、北朝鮮は4回にわたり放送は許さない、爆破すると脅してきた。これは嫌がっている証拠だ。また妨害電話を出したことも嫌がっている証拠だ。
問 めぐみさんの夫の確定は日韓協力の成果だ。
金聖民 97年にめぐみさんの拉致が明らかになり、韓国の情報機関が調査をし直した。その結果、5人の高校生が出てきた。連携の成果だ。
問 どんな放送をしているか。
金聖民 脱北者の座談会で、中国でどんな苦労をしたかとか、なぜ命がけで脱北したか、貞操まで売りながら中国に隠れ住んだこと、ベトナムやモンゴルルートの話など、自然に分かってもらえるものだ。
◆「自由北朝鮮放送」支援日本委員会について
目 的�「自由北朝鮮放送」を通じて、金正日政権幹部に、拉致被害者救出に対する日本人の不退転の決意と、被害者の保護・救出や情報提供に協力すれば報償を与えることを伝える。
�「自由北朝鮮放送」を通じて、北朝鮮住民に国際社会の動き、民主政治の思想、金正日政権の政治宣伝の嘘を伝え、北朝鮮の自由化に備える。
役 員 顧 問=横田滋・家族会代表、佐藤勝巳・救う会会長、平沼赳夫・拉致議連会長、委員長=西岡 力・救う会常任副会長、理 事=増元照明・家族会事務局長、島田洋一・救う会副会長、平田隆太郎・救う会事務局長、事務局長=山岸丈良・救う会事務局次長
事務局 〒112-0013東京都文京区音羽1-17-11-905救う会内 電話03-3946-5780
FAX03-3946-5784
募金先 郵便振替口座00100-4-14701 救う会(通信欄に「ラジオ」と記入してください)
救う会ニュースより
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