大阪市長・橋下徹氏による市職員に対する思想調査問題について、先日もここに書きましたが、みなさんからのコメントがほとんどないことがこの問題の深刻さを物語っているように思います。
橋下氏のこの行為についての私のニュースソースは「しんぶん赤旗」でした。今回の橋下市長による思想調査は、大阪市交通局の労働組合による選挙活動は違法である、との認識によるものだったようですが、この労働組合は連合に加盟しており、民主党の支持母体であります。共産党とは一線も二線も画している労働組合ですが、調査が全職員の思想調査的な内容を含んでおり、しかも市長による脅しともとれる文章が添えられていることで、民主主義と基本的人権を侵害する重大な事態だとして、報道しているように思います。
ところが、このような重大な問題なのに、私が購読している朝日新聞はこれまでいっさい報道していません。少なくとも長崎版に掲載された形跡が全くありません。どうやら他の全国紙でも報道されていないらしいのです。したがって、多くの皆さんはこのような橋下市長の無茶苦茶な思想調査や業務命令があったことをご存じないのではないか、と思います。
このことが橋下氏の行為以上に深刻な問題だと思います。大本営ではありませんが、都合の悪いことは知らせない、という報道管制や自主規制のような申し合わせが新聞社間でなされているのではないか、と疑いたくなります。橋下氏のズバッと切り込むカッコいい場面は見せて、卑劣な場面は見せない。新聞各社は橋下氏と維新の会を革命児のように持ち上げ、おおいに後押ししようとしていることはすでに見え見えです。このようなマスコミの偏った報道姿勢は日本を誤った方向に導きかねない憂慮すべき事態だと思います。
きょうの1曲。小鳥のようにもっと自由に生きたい、ということで、ビートルズの「フリー・アズ・ア・バード」。
The Beatles - Free As A Bird - HD