彼は、今の私のこの状況を
ちゃんと、説明するように求めてくる。
わかってるくせに、わざとそんなことを言う。
恥ずかしいけど、
彼の要求通りにしないと、こちらのお願いを聞いてもらえない。
そのために、恥ずかしさを偲んで、言葉にする。
もう、あなたのことを受け入れようと準備ができてるの。
ようやく彼は、わたしの要求に、いいよ。と言ってくれた。
ずっとずっと、焦らされた身体は、とても敏感になっていて、
そのあと、
LINEを打つ指は、ここに無くなった。
閉じた画面に彼の発した言葉が、次々と映り続けて、脳を刺激する。
彼の大きな胸元が、私の上にあって、温もりを想像できた瞬間、
私の中の何かが変わった。
スマホの相手は、今ここにいるんだ。と、必死に想像する。
そして、彼の動きに合わせてみる。
呼吸も、脈も、リズムのある腰の動きも。
そしたら、、、、
あのね。
わたしね…今…。
それを伝えると、
彼は、とても喜んでくれた。
俺はね、きみが、何度もそうならないと、終われないんだよ。
どこまでも優しい人。
そして、同時に、嬉しく思う。
私たちは、実際に抱き合うより、もっと深く濃密に重なり合った。
いろいろ話をしたね。
彼は、横綱。
初めは、相手のことを正面で受け止めて、
次は、相手の力を利用して、違う場所へ。
勝ちもせず、負けもせず、
ずっと土俵で相撲を取る。
休憩も沢山したらいいしね。
それでも、
どちらかが、息を切らすようなことがあったら、それで終わり。
その時は、笑って、感謝して、ありがとう。よく頑張ったね。
で終わりたいね。
終わる話をした後だから、
余計に今が、愛おしく思うのだった。