モズの眼

動かなくなった「心とからだ」の復活の記録

名作探訪 ~ 山の音

2012-02-10 | 読書、芸術

川端康成の「山の音」(新潮文庫552円)を読みました。

良い作品です。

死の恐怖や老いに苛まれながら生きている「信吾」の姿に共感できます。

老境にあっても息子の嫁「菊子」に淡い思いを寄せ、菊子も信吾に心をかよわす。

二人の間には「特段の出来事」は無いのですが、会話や何気ない仕草の描写から、返ってエロティシズムを想起させられます。

これを進めて行くと、後の「眠れる美女」にたどり着くのではないでしょうか。

信吾は、妻保子の姉を以前好いていました。

姉は夭逝してしまうのですが、信吾は老境の今まで姉の幻想を抱き続けています。

その代償として精神的に菊子を求めてしまうのか・・・・・

「伊豆の踊子」「禽獣」「雪国」等々の主題が「山の音」で変奏され、繰り返されているように思われます。

そう言う意味でも「山の音」は大変読み応えがある作品。

大したカタストロフィーがあるわけではない、多かれ少なかれ誰の身にもありそうなことを淡々と描いています。

それでいて、読み終わりたくない、このまま小説が続いて欲しいと願ってしまう作品。

向田邦子はこれをどう読んだろうか? 小津安二郎は? などと思いを巡らしました。

 

 

 

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お帰りなさい鉄人さん

2012-02-10 | スケート、自転車その他スポーツ

ウルトラスケート長良川でご一緒した鉄人さんがオーストリアの湖weissenseeで行われたウルトラアイススケートから帰還されました。

なんと200キロを2度滑られたそうです。

ブログを読んでいると滑走やトレーニングだけではなく、オーストリアへの旅程などご自分で工夫されている様子がうかがえます。

多分仕事をリタイアされた年齢の方でしょう。

それなのに本当に凄い行動力です。

見習いたいです。

私が鉄人さんの年齢であれば億劫でとても無理な気がします。

健康を維持するだけでも並大抵の努力では済みません。

それにも増して精神が・・・・鉄人さんは万年青年です。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする