長嶋有の「エロマンガ島の三人」文春文庫581円 を読みました。
長嶋有を読むのは初めて。
氏は第1回大江健三郎賞受賞作家です。
ゲーム雑誌の編集者が冗談で言い出した、ニューカレドニアにある「エロマンガ島」でエロ漫画を読むと言う企画がとおってしまい男三人はロケに赴きます。
島にはホテルはもちろんありませんし、自動車は2台、ベッドは1台という辺鄙さ。
彼らの世話をしてくれた島民ジョン・ジョンとその娘達との心の通う様子にはほろっとしてしまいます。
著者は漫画(別名で漫画評論をされています)やゲームに造詣が深いようで、詳しい人ならニタっとしてしまうような表現が随所にみられます。
しかし、小説としておちゃらけは微塵もなく、三人のエロマンガ島での人間回帰物語とでも言えるような出来映。
未読の作家を体験すると、少し世界が広がった気がします。