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『なぜベストを尽くさないのか』

2004年07月06日 23時33分43秒 | 想在
 「純愛志望 / おまえのベストはそんなものか」



 書きためている記事がいろいろあるのだが。

 物語 (のようなもの) 二本と、 戯れ言と、 考え事と、 占いネタみっつよっつと、 ボツネタ再構築と ... ?

 (いや、べつに、出し惜しみなどしているわけではなく、書くのに時間がかかるので、タタキだけつくっておいて、あとで書き込もうと思いつつ、時間が過ぎ去ってしまっている。 ... こうして、「予告」 することで、じぶんにプレッシャーを)

 さて、「お風呂屋さん、開業しました? / 「ニートなボク」」 という記事に trackback を送ってくださった、紳さんの記事をお読みして、いろいろ考えてしまったので、先にこちらを。

 当該記事で、紳さんは、


今の世の中、モノや情報ってすんごい溢れ返っていると思う。
で、「ニート」と呼ばれる人たちは、本当にやりたい事を、その中から見出せずにもがいているのかも知れないですね。
で、何も出来ずにただ毎日をボーっと過ごしているのかも・・・。
選択肢や情報が豊富なのも、考えものかもしれない。


 と書かれている。

 そうなのかもしれない。

 NEET,いわゆる、働く意欲のない若者たちは、「本当にやりたいこと」 というものを、見出そうとしていないのではなく、見出す必要がないのでもなく、どこから、どうやって、見出していいのか、わからないのだろうか?

 コップのふちいっぱいまで水が満たされているような、あやうさのなかで、身動きできなくなって ... 、 水が満たされれば、満たされるほど、こころが渇いていくような、もどかしさ、苦しさのなかにいるのだろうか ... ?



 ついさいきん、『なぜベストを尽くさないのか』 という本が発売され、ちょっとした(?)話題になっていると知った。 テレビ番組から生まれたエッセイ(?)のようで、番組を観ていない私には、なんのこっちゃ、わけわからないと思うので、未読であるが。

 ちょいとズキッと響くことばだ。



 「ベスト」 という単語で考えるのは、私のような音楽おたくからすると、昨今、やたら 「ベスト盤」 とかいうものが出回っているな。 ということか。

 個人的な感覚で言うと、「ベスト盤」 というのは、何年間、何十年間も活動したミュージシャンの作品群から、幅広く (もしくは、なにかのコンセプトに沿って)、珠玉の名曲を収めたもの、を指すものと思っているのだが、昨今の歌手は、すぐに、「ベスト盤」 を発表しているような?

 デビューして 二、三年で 「ベスト盤」 て、あーた。 そんなもん、ただのシングル・コレクションか、ヒット曲のオンパレードに過ぎないじゃない。 なんて思ってしまう。

 「あなたにとっての 『ベスト』 とは、そんなものなのか?」 とさえも。

 簡単に達成感を得て、簡単に 「ベスト」 を尽くしたような気になってしまう。 というのもあるのかなあ。 なんて思った。



 「手軽に 『ベスト』 を売り出し、手軽に 『ベスト』 を買えてしまう」



 紳さんは、こうも書かれている。


でもね、汗もかかずにヒーローになることなんて、誰にも出来ないんですよ。


 ほんとうに、そうだと思う。

 額に汗して、懸命になにかに打ち込まなければ、ほんとうの達成感というものを、味わえないのではないかな、と。 ベストを尽くさずにベストの結果など得られるはずがないのでは、と。

 アンドレ・ジッドの 『狭き門』 に引用された、 「力を尽くして、狭き門より入れ」 ということばを、思い出す。



 そして、あくまで、仮説であるが。 この、NEET といわれる若者たち。 本気の恋愛というものをしたことがないのじゃないかしら? と思ってみた。

 いい意味でも、悪い意味でも、じぶんのこころに、生涯消えない傷を残すような ... ?

 本気でだれかを愛したこと、本気でだれかに失恋したこと、が、ないのでないか? と。

 ベストを尽くして愛したこと、ベストを尽くしてフラレたことが。

 ベストを尽くすのがこわいのではないかな? ... なんて。



 しかし、昨今では、なにやら 「純愛」 が流行っているとか? ここ数年、テレビを観ない生活をしているので、さだかではないのだが。

 これは、ほんとうは、「純」 で、「一途」 な恋愛をしたいという願望のうらがえしなのだろうか。

 ただ、その対象が見つからない、見つけられない、どうやって見つけていいかわからない、ということなのだろうか。



<!--
 目もくらむほどの情報の渦のなかで、手軽な 「出会い」 で、外的世界と内的世界のスキマを埋めようとしている? 実際は、よけいに 「ひずみ」 が増すばかりなのかもしれないが。

 そうして、気に入らなかったら、コロス、オカス、メチャクチャにスル。

 そんなこともお手軽なのだろうか ... ?

 (なお、これは、男から女へ、ということだけではない。 女から男へ、も、ありえるし、男から男へ、女から女へ、もありえるのかもしれない)

 ああ。 でも、これは、私自身が情報操作に操られて、そんなふうに思い込んでいるだけかもしれない。 私にはわからない。 世のなか、なにがどうなっているのか。

-->



 いろいろ個人的な暴論・空論を展開してしまったが、やはり、「愛こそすべて」 ではないけれど、もっと、もっと、恋愛すべきだ ! と、さいごのさいごまで自論で押し通してしまおうか。

 もっと、たくさん、愛して。 もっと、たくさん、愛されて。

 もっと、たくさん、傷ついて。 もっと、たくさん、傷つけて。



 そうやって、だれかを愛するよろこび、なにかに懸命に打ち込むよろこび、なにかを達成するよろこびを知るのではないだろうか ... ? なんてね ... 。



 BGM:
 The Beatles ‘Eight Days a Week’

 (「一週間に八日分愛してあげる」 と歌う、The Beatles のなかで、好きな曲のひとつ)

 (なにかに打ち込んでいるとき、というのは、夜寝る時間も惜しいくらい、一日が二十四時間では間に合わないくらい、一週間が七日じゃ足りないくらい ... 充実した日々を送っているのかもしれない)
コメント (6)
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お風呂屋さん、開業しました? / 「ニートなボク」

2004年07月06日 13時16分47秒 | 想在
  「バンドマンは風呂に入っちゃダメなのか?」



 先週土曜日は、友人のバンドが、高円寺でライヴを行ったので、観に行った。

 友人バンド。 その週の水曜日にスタジオに入って練習をしたそうなのだが、メンバー全員とも、そのときから風呂に入っていないと言う。

 メンバーみな、風呂のないアパートに住んでいるのだ。

 ロックンロールだねえ。

 しかし。 汗だくになって、アツイ ステージを繰り広げたので、そのままではべたべたして気持ち悪く、眠れないのではないか、と思い、打ち上げ終了後、わが家のお風呂を貸してあげた。
 (銭湯は、だいたい夜十一時くらいに閉まってしまうらしい)

 そう。 バンドマンだって、お風呂に入りたいのだ (と思う)。

 そういえば。 ふと、思い出したのだが。

 私の友人 (というか彼) が、若かりしころ、皮のベストを買うときに、「これ、洗濯とかどうするんですかねえ ? 」 とお店の人に訊いたら、

 「 ... ロックンローラーは、洗濯しちゃ、ダメだよ」 と言われた、という話。

 で、言われたとおり、着たら着っぱなしでいたら、ものすごく汗臭くなったとか。 素肌のうえに皮のベストを着ることもあって、着ていると、かゆくなるとも言っていた ... 。

 やはり、洗濯はしなくちゃね。 うん。 クリーニング屋さんに持って行こう。

 ちなみに、そんな彼も、風呂なし・トイレ共同の四畳半一間のアパートに住んで、ロックンロール・ライフを実践している。 また、じぶんの好きなことをやるために、アルバイトや日雇いの仕事などをして、じぶんの自由な時間を多く持ち、表現・創作活動に励んでいる友人の多くが、そう。 風呂がない、なんて、フツウだ。 倹約して、月に食費を七千円(!)に抑えている人もいるくらい (私など、一晩で七千円呑み喰いしてしまうこともあるのに ... )。

 世間では NEET (Not in Employment, Education or Training. 近年急増しているという、就職意欲がなく、働かない若者たちの呼び名。 goo 辞書を参照) なんてことばがあるようだが。 ふざけんじゃない、なにがニートだ ... とでも言いたくなる。 働く意欲がないのはしょうがない。 「就職」 せずにじぶんの好きなことをやるのは勝手だ。 しかし、いい大人が親にぶらさがって生きているなんて。 横文字なんかつかっちゃって、まるで neat (こざっぱりした、お上品な) みたいなのも、なんか腹立つなあ。

 ... なんて、こんなところで私がプンプンしても、仕方ないか。

 かくいう私だって、アルコールの摂り過ぎで肝臓をやってしまったときには、ちょいと親に迷惑もかけた。 ひょっとすると、なにかの加減で、パラサイトすることになっていたかもしれない、とも思う。

 えらそうなことを言えたものじゃない。

 そんな私ではあるが、夢を追いかけている友人たちを応援するために、「お風呂屋さん」 でも開業しようか。

 名づけて、「鳥の湯」。

 お風呂代は、ビール一缶。

 二十四時間、とは いかないけれど、私が家にいて、寝ていないときなら、いつでもサッパリ?!

 リクエストがなくても、ロックンロール・ミュージックの BGM つき !



 ―― どうだろうか ... ?!



 関連リンク:
 『ニート(NEET)働かない若者』
 (いちがいに、当人だけの問題とは言えないのだろうか ... ? )



 BGM:
 The Strokes ‘Meet Me in the Bathroom’

コメント (12)
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