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7.17 / ムーン・リバー

2004年07月17日 15時13分54秒 | 想在
 世に言う、

 「阪神大震災」 があったとき、おれの、じいちゃんとばあちゃんは、神戸市北区に住んでいた。

 あの日の朝、午前五時四十六分、とつぜん、はげしい揺れにおそわれて、飛び起きたじいちゃんは、とっさに、となりで寝ているばあちゃんのうえに、四つん這いに乗っかった。

 ばあちゃんもびっくりして目を覚ましたが、揺れが収まるまで、凍りついたように、じっとしていた。

 そして、なんとか揺れがおさまったので、ほっとして、じいちゃんが、ばあちゃんのうえから離れようとしたら、たんすの上から、オルゴールがごとんと、落ちた。

 その、オルゴールは、じいちゃんが、何回目かの結婚記念日に、ばあちゃんに贈ったものだった。

 床のうえに落ちたオルゴールのふたが開いて、音楽が流れはじめた。


  「Moon River」


 じいちゃんとばあちゃんは、恐怖をひとときわすれ、そのままの態勢で、くすくすと笑い合った。



 その後、避難生活をしなければならない、きびしい日々がつづいたが、ばあちゃんは、折りにふれて、そのオルゴールを開き、「Moon River」 の音色に聴き入った。

 おれたちが、どんなに呼び寄せても、東京には住めない、と言って、なにがなんでも、頑として神戸を離れなかった、じいちゃんとばあちゃん。

 震災の日から、ちょうど半年後、じいちゃんは、死んだ。

 きょうは、九周忌になる。


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キャベ 2 な男 / コン○ームな女

2004年07月17日 02時36分23秒 | 想在
 ふぅ~ ... 。

 昨夜 (正確にいうと、おとといの晩) は、趣味で定期的にやっている、「クラブ DJ」 というものをして来たのだが、帰り、終電を逃してしまったので、タクシーを拾った。

 タクシーの荷台というのかしら(?)、トランクに、ワタシのお宝たち (音源) をのっけて、座席にもぐり込んだ。

 三時間立ちっぱなしだったため、足がひりひりしていたので、座れてありがたかった。

 タクシーに乗ると、ふいに、考える。

 このひと、わどさん かしら? と。

 そんなはず、ない、かな。





 きょうは、バンドマンの友人のライヴを観に行くため、新宿で途中下車した。 駅のホームを歩いていたら、「キャベ 2」 が落ちているのを見つけた。

 ああ。 今宵は、金曜の夜だものね。 これから、飲みに行こうとはりきっていて、お財布のなかに隠し入れていたはずの 「キャベ 2」 を確認して ... ぽろりと落としてしまったのかな。 と、想像した。

 てくてくと歩いていたら、今度は、コン○ーム(未使用)が落ちているのを、見つけた。 新宿駅って、すごいな。 これから彼とデートだから、と、お財布のなかに隠し入れていたはずのあれを確認して ... ぽろりと落としてしまったのかな。 と、想像した。

 そして、キャベ 2 の男と、コン○ームの女が、待ち合わせてしていたのだ、と、想像した。

 それぞれ、ひとつずつ、ひみつを失くしたままの彼らは、大丈夫だったのだろうか? と。



 BGM:
 John McDermott ‘Friday Nights and Lost Weekends’
コメント (13)
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