前回のエントリー、「軟派なキューピッド」 で、「ナンパ」 話について、書いたのだが。
友人の何人かで、じぶんの 「ナンパ」 話を暴露していたとき、私の友人 (というか彼) も、その話題に混ざっていた。
じぶんの好きなひとの、じぶんと出会うまえの 「なんじゃあかんじゃあ」 な話は、興味がある反面、ちょっと聞きたくないような気もする。 (それはお互いさまか ... )
彼は、私を気遣ってか、こんな話をしていた。
彼がまだ高校生だったころ ―― 十五年くらいまえの話だが。 まさに、『下妻物語』 のような 「ど田舎」 に住んでいたとかで、おもしろいものがなにもなかったらしい。
で、退屈を紛らわせるために、近隣に唯一あったという 「ディスコ」 (* 注 「クラブ」 ではない) へ、毎週末のように、みんなで大挙して押しかけていたとか。
しかし、なにぶんまだ高校生。 じぶんの車など持っているわけがないから、家の車を勝手に乗って行くのだけど、それが、農業用(?)のトラックだったりなんかして、ディスコのまえの道路に、トラックがぶわぁ~っと立ち並ぶことになったとか。 ほかの流行りの車を押しのけて。 (時代的に言うと、「フェアレディ Z」 とか 「ソアラ」 などであろうか ? )
そして、じつは、ディスコに入るお金がないので、店のなかには入らなかったそうなのである。 店に入らずになにをしていたか、というと、そのディスコのまんまえに たむろして、ディスコに遊びに来ている女の子たちを張っていたのだとか。
なるほど。 「出待ち」 である。
で、トラックの窓から、「ヨーヨー、ねえちゃ~ん」 と、かたっぱしから声をかけるのだけど、いかんせん、トラックだし、高校生だからお金もないしで、ナンパの成功率は、散々なものだったとか ... 。
ナンパに行くときは、お父さんのオーデコロン (* 注 「オー・ドゥ・コローニュ」 ではない) を勝手に借りて、一張羅を着て、いつもはショートホープという国産の煙草を吸っているのに、外国の煙草 (「洋モク」 というらしい) なんか吸っちゃって、なけなしのお金を持って 「ディスコ」 に繰り出す ... それが、土曜日の夜のたのしみだったとか。
そのくせ、ぜんぜんモテなくて、それでも、「ナンパ」 はやめなくて。
「ナンパ」 に行く、という行為そのものに、トキメキがあったのだと言う。
ふぅん。 なるほどねえ。 彼も、オトコノコしていたのだ。
ところで。
いまどきの 「ナンパ」 というのは、どうしているのだろう?
そもそも、「ナンパ」 という行為が、むかしと同じように行われているのだろうか?? ここ数年、若者文化に飛び込むことがなくなってしまったので、ほんとうに、素でわからない。
いまでは、「出会い系サイト」 とかいうのがあって、かんたんに 「出会い」 を求めることができるのだろうか。 まずは、「メール友だち(メル友?)」 などの、仮想現実での知り合いとなって、それから現実に出会うのだろうか。
彼の話のような、地道で けなげで 古風な 「ナンパ」 は、もはや廃れている??? だとしたら、彼の話、なんだか、イトオシく思える。
私の知り合いで、Yahoo! にプロフィールを公開して(?)、いろいろ女の子と会っているとかいう男の子がいるのだが。 いまだに彼女が出来ていない。
いっしょうけんめいがんばっているのは、わかるのだけど。
仮想現実での 「ナンパ」 に励むその男の子よりも、現実世界での 「ナンパ」 に励んでいた 彼のほうに、親近感を憶える、そうよ、ワタシは、精神年齢三十六歳。 (でも、ほんとはそれよりずっと下)
BGM:
Tom Waits “土曜日の夜 / The Heart of Saturday Night”
友人の何人かで、じぶんの 「ナンパ」 話を暴露していたとき、私の友人 (というか彼) も、その話題に混ざっていた。
じぶんの好きなひとの、じぶんと出会うまえの 「なんじゃあかんじゃあ」 な話は、興味がある反面、ちょっと聞きたくないような気もする。 (それはお互いさまか ... )
彼は、私を気遣ってか、こんな話をしていた。
彼がまだ高校生だったころ ―― 十五年くらいまえの話だが。 まさに、『下妻物語』 のような 「ど田舎」 に住んでいたとかで、おもしろいものがなにもなかったらしい。
で、退屈を紛らわせるために、近隣に唯一あったという 「ディスコ」 (* 注 「クラブ」 ではない) へ、毎週末のように、みんなで大挙して押しかけていたとか。
しかし、なにぶんまだ高校生。 じぶんの車など持っているわけがないから、家の車を勝手に乗って行くのだけど、それが、農業用(?)のトラックだったりなんかして、ディスコのまえの道路に、トラックがぶわぁ~っと立ち並ぶことになったとか。 ほかの流行りの車を押しのけて。 (時代的に言うと、「フェアレディ Z」 とか 「ソアラ」 などであろうか ? )
そして、じつは、ディスコに入るお金がないので、店のなかには入らなかったそうなのである。 店に入らずになにをしていたか、というと、そのディスコのまんまえに たむろして、ディスコに遊びに来ている女の子たちを張っていたのだとか。
なるほど。 「出待ち」 である。
で、トラックの窓から、「ヨーヨー、ねえちゃ~ん」 と、かたっぱしから声をかけるのだけど、いかんせん、トラックだし、高校生だからお金もないしで、ナンパの成功率は、散々なものだったとか ... 。
ナンパに行くときは、お父さんのオーデコロン (* 注 「オー・ドゥ・コローニュ」 ではない) を勝手に借りて、一張羅を着て、いつもはショートホープという国産の煙草を吸っているのに、外国の煙草 (「洋モク」 というらしい) なんか吸っちゃって、なけなしのお金を持って 「ディスコ」 に繰り出す ... それが、土曜日の夜のたのしみだったとか。
そのくせ、ぜんぜんモテなくて、それでも、「ナンパ」 はやめなくて。
「ナンパ」 に行く、という行為そのものに、トキメキがあったのだと言う。
ふぅん。 なるほどねえ。 彼も、オトコノコしていたのだ。
ところで。
いまどきの 「ナンパ」 というのは、どうしているのだろう?
そもそも、「ナンパ」 という行為が、むかしと同じように行われているのだろうか?? ここ数年、若者文化に飛び込むことがなくなってしまったので、ほんとうに、素でわからない。
いまでは、「出会い系サイト」 とかいうのがあって、かんたんに 「出会い」 を求めることができるのだろうか。 まずは、「メール友だち(メル友?)」 などの、仮想現実での知り合いとなって、それから現実に出会うのだろうか。
彼の話のような、地道で けなげで 古風な 「ナンパ」 は、もはや廃れている??? だとしたら、彼の話、なんだか、イトオシく思える。
私の知り合いで、Yahoo! にプロフィールを公開して(?)、いろいろ女の子と会っているとかいう男の子がいるのだが。 いまだに彼女が出来ていない。
いっしょうけんめいがんばっているのは、わかるのだけど。
仮想現実での 「ナンパ」 に励むその男の子よりも、現実世界での 「ナンパ」 に励んでいた 彼のほうに、親近感を憶える、そうよ、ワタシは、精神年齢三十六歳。 (でも、ほんとはそれよりずっと下)
BGM:
Tom Waits “土曜日の夜 / The Heart of Saturday Night”