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ルサンティマンなわたし / Lonely Planet

2004年07月15日 17時50分48秒 | 想在
 「嫉妬」 とは、だれしもが持っている、人間的な普遍の感情なのであろうか。

 それを、なにか別の原動力に変え、創作や表現、仕事、競技などで結果を残すことができたら、すごいことだ。

 私は、そんな人たちが、とても、うらやましい。 ああ、これも一種の 「嫉妬」 なのか。



 私の 「お師匠」 (のような人) の話をしようか。 お師匠は、読書家だ。

 「ぼくは、近代文学と言われるもので読んでいない本はない」 と、断言している。

 ふむ。 その真偽のほどは、さだかではないが、そう自信をもって断言できるのは、ちょっとうらやましい気がする。 なんとなく、かっこいい。

 師匠は、小さなころ、喘息もちだったそうだ。 ガリガリに痩せていたので、同級生からは 「もやし」 と呼ばれて、いつもからかわれていたとか。

 根が負けず嫌いな師匠は、虐げられた感情の渦のなかで、健常な人たちに対する烈しい 「嫉妬」 と、孤独にたたかっていたそうだ。

 そんな師匠が、唯一ヒーローになれたのが、国語の時間。

 小さなころから、部屋にこもって本を読んでいたので、朗読のときに、つっかえたり、まちがえたりすることなく、すらすらと読み上げることができたそうだ。

 その後、師匠は、自身のコンプレックスからくる 「ルサンティマン(*)」 を、見事に書物への情熱に置き換え、学業のうえで立身し、驚異的な知識量と含蓄を持つ人となって、現在に至っている。



 師匠を見習って、私も真似してみたいところだけど。

 「わたしは、六十年代以降のロックと言われるもので、聴いたことのないものはない」 ... なんて言えたらね。 すごいのに。
 (別の意味ですごい?! じっさいは、おそらく、その半分も聴いていないのかもしれない)

 文学やロックでなくても。 映画とか。 美術とか。

 いや、そんなに大それたことでなくてもいいのだ。

 たとえば、

  「わたしは、東京二十三区内の公園で行ったことのないところはない」

 とか、

  「わたしは、ハーゲンダッツのアイスクリームで食べたことのない味はない」

 とか、

  「わたしは、市販されている入浴剤で試したことのないものはない」

 とかさ。 (なんてね)

 なにかひとつでも。 どんなにささやかなことでも。

 迷いなく、断言できる、「これだけは」 というものを持つことができたら、じぶん自身、変わることができるのだろうか ... ?



 * ルサンティマン(ressentiment) ...

  (1) ニーチェの用語。弱者が強者に対する憎悪や復讐心を鬱積させていること。
  (2) 一般に、怨恨、憎悪、嫉妬などの感情が反復され内向して心に積もっている状態。





 The The ‘Lonely Planet’

 (‘If you can't change the world, Change yourself’)



 おまけ(?):
 『怨念戦隊ルサンチマン大百科(HTML版)』
コメント (13)
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