今日は午前中に父の退院の荷物持ちで県病院に行って一度安佐北区の自宅に戻って午後からまた県立図書館という効率の悪い移動になってしまった。父の入院中もチャンスがあるだろうと借りた2冊は持ち歩いていたのだけど、心に余裕がなくてちょっと図書館という気分になれなかった。したがって、いつものようにはどの本を読むか準備ができていなかった。
それでまずは、書籍検索でヒットしたうちまだ読めていなかった「山県郡史の研究」と祝福芸の台本がのっている「大衆芸能資料集成第1巻」の2冊を書庫から出していただいた。山県郡史の研究の方は、予想通り加計町史や日本庭園史大系と同じ吉水亭での貞国の歌二首、しかし詞書に続いた作者名が「栗の本の貞国」とあった。うちの爺様の掛け軸にある「栗のもとの貞国」は他の文献に中々出てこなかったが、ここで初めて同様の表記が確認できたことになる。もっとも同じ歌を載せている加計町史や日本庭園史大系にこの記述はなく、そこは気になるところだ。そして、帰って書籍検索をもう一度したら狂歌の指導云々とこの二首とは違う場面の記述になっていて、そこは見落としてしまったようだ。もう一度この本を当たってみないといけない。
大衆芸能資料集成の方は貞国の歌の語句から「毘沙門の鎧兜」で書籍検索したところ越前萬歳の七福神という歌謡が引っかかったもので、これは七福神がおめでたいというよりは、かなり下ネタ的な笑いを取る内容になっていた。爺様の掛け軸の絵が祝福芸ではないかという指摘もあり、この本は借りて帰ることにした。
次にラーメンの語源の回で出てきたワンタン屋台の話に興味を引かれて、「日本めん食文化の一三〇〇年」を書架から手に取ってみた。ラーメンの語源は大正十二年の札幌と断言してあり、しかしそこからラーメンという言葉が広まったという根拠は書いてないように思えた。ここで気になったのはワンタンの屋台が大流行したのは関東大震災の後という記述で、震災の影響が少なからずあったようだ。これもソースが書かれていなくて調べてみる必要があるけれど、ありそうな話のように思える。また、チャーシューワンタンの話が出てくる太宰治の「葉」の解説が載っている「太宰治研究16」も借りて帰った。しかし解説を読んでも「葉」はとっても難解である。
いつものように上方狂歌と江戸狂歌を一冊ずつ、計四冊借りて帰った。祝福芸が量があって三週間で読めるかどうか。それから芸備先哲伝を読むのをまた忘れてしまった。次回はまずこれを読もう。