今日は、奈良市の東大寺近くにある奈良県警察本部に行ってきました。
悪いことをして自首しに行ったわけではありませんよ!!
何しろ、検案協力医なのでありますから
3時間弱、異常死体の話を聞き、異常死体の写真を次々と(嫌と言うほど)見せていただきました。
奈良県の昨年度の死亡数は1万5千余り。そのうち異常死(検案例)2263体だったそうです。検案例の中で事件性がないと処理されたご遺体の中に事件性のあった「犯罪見逃し事案」があったことが分かっているそうです。薬物などでの殺人を病死などと申告する例が増えていて、その手口が年々巧妙になっているとの事で、異常死体に対する知識の重要性を再認識しました。
熱中症、凍死についての粕田教授のお話では、熱中症も凍死も屋外よりも室内での死亡例が多い、特に熱中症は9割ほどが室内であり、高齢者が多くて、エアコンを使っていて亡くなった例は奈良ではゼロだそうです。熱中症、凍死ともに除外診断であり、疑う症例は多くてもなかなか診断が困難(特に死後時間が経過すると)なことを学びました。
流石に警察本部での研修会だけあって、緊張感のある会でした。出席している警察官は警視正1名、警視4名と言う錚々たるメンバーでした。
最後の質疑応答の時に実際に検案に行って熱中症で亡くなっている事がほぼ確実なのになかなか死因に熱中症とは書けない事が話題になったり、奈良県と岩手県の検案事例の死因として「急性心臓死」が目立って多く、話題になっていることなど、非常に興味深く、中身の濃い研修会でした。