おもひをすくなくして神を養ひ、
慾をすくなくして精を養ひ、
飲食をすくなくして胃を養ひ、
言をすくなくして気を養ふべし。
是養生の四寡なり。
そして、
身をつねにやすめおこたるべからず。
我に相応せる事をつとめて、手足をはたらかすべし。
心を平らかにし、気を和かにし、言をすくなくし、しづかにす。是徳を養ひ身をやしなふ。其道一なり。多言なると、心さはがしく気あらきとは、徳をそこなひ、身をそこなふ。其害一なり。
養生の道は、中を守るべし。中を守るとは過不及なきを云。食物はうゑを助くるまでにてやむべし。過てほしゐまゝなるべからず。是中を守るなり。物ごとにかくの如くなるべし。
ということも繰り返し強調されている印象を受けました。
津液をばのむべし。吐べからず。痰をば吐べし、のむべからず。痰あらば紙にて取べし。遠くはくべからず。水飲津液すでに滞りて、痰となりて内にありては、再(び)津液とはならず。痰、内にあれば、気をふさぎて、かへつて害あり。此理をしらざる人、痰を吐ずしてのむは、ひが事也。痰を吐く時、気をもらすべからず。酒多くのめば痰を生じ、気を上(のぼ)せ、津液をへらす。
津液(しんえき:つばき)は一身のうるほひ也。化して精血となる。草木に精液なければ枯る。大せつの物也。津液は臓腑より口中に出づ。おしみて吐べからず。ことに遠くつばき吐べからず、気へる。
(中学生の時、不良の真似をして、よく唾をぺっぺっ吐いてたのはよくなかったなぁ〜オハズカシイ〜)
あとは、やはり当然のことを仰っているのですが、自分が病にかかってしまった場合に陥ってしまわないように気をつけようと思ったことが
何事もあまりよくせんとしていそげば、必あしくなる。病を治するも亦しかり。医をゑらばず、みだりに医を求め、薬を服し、又、鍼・灸をみだりに用ひ、たゝりをなす事多し。
導引(:道教の健康法)・按摩も亦しかり。わが病に当否をしらで、妄に治(じ)を求むべからず。
また、儒教学者先生らしい「ごもっとも」、「耳が痛い」内容だなぁ〜という印象ですが
凡(そ)よき事あしき事、皆ならひよりおこる。養生のつゝしみ、つとめも亦しかり。つとめ行ひておこたらざるも、慾をつゝしみこらゆる事も、つとめて習へば、後にはよき事になれて、つねとなり、くるしからず。又つゝつしまずしてあしき事になれ、習ひくせとなりては、つゝつしみつとめんとすれども、くるしみてこらへがたし。
・なんでも「100点満点」を望まないこと
凡(て)の事、十分によからんことを求むれば、わが心のわづらひとなりて楽なし。
禍も是よりおこる。
又、人の我に十分によからん事を求めて、人のたらざるをいかりとがむれば、心のわづらひとなる。
又、日用の飲食・衣服・器物・家居・草木の品々も、皆美をこのむべからず。いさゝかよければ事たりぬ。十分によからん事を好むべからず。是、皆わが気を養なふ工夫なり。
万の事、皆わがちからをはかるべし。ちからの及ばざるを、しゐて、其わざをなせば、気へりて病を生ず。分外をつとむべからず。
ってことも言ってくれています。(でも、これも優しさは感じないなぁ〜、笑)
・「欲望を貪って生きていたらよくないのはわかっているんだけど、やめられな〜い」っていう奴がおるが、私が思うに、養生の大切さが全くわかっとらん。(総論上でも仰っていましたが)自殺することと同じだ、
ということが分かれば、欲望は抑えられるはずだ。キョエ〜やっぱり厳しいっす
或人の曰、「養生の道、飲食・色慾をつゝしむの類、われ皆しれり。然れどもつゝつしみがたく、ほしゐまゝになりやすき故、養生なりがたし」といふ。
我おもふに、是いまだ養生の術をよくしらざるなり。よくしれらば、などか養生の道を行なはざるべき。
水に入ればおぼれて死ぬ。
火に入ればやけて死ぬ。
砒霜をくらへば毒にあてられて死ぬる事をば、たれもよくしれる故、水火に入り、砒霜をくらひて、死ぬる人なし。
多慾のよく生をやぶる事、刀を以(て)自害するに同じき理をしれらば、などか慾を忍ばざるべき。
さらに、総論ですが最後の方では
・臍下丹田
臍下三寸を丹田と云。腎間の動気こゝにあり。
難経に、「臍下腎間の動気は人の生命也。十二経の根本也」といへり。是人身の命根のある所也。養気の術つねに腰を正しくすゑ、真気を丹田におさめあつめ、呼吸をしづめてあらくせず、事にあたつては、胸中より微気をしばしば口に吐き出して、胸中に気をあつめずして、丹田に気をあつむべし。
この如くすれば気のぼらず、むねさはがずして身に力あり。
貴人に対して物をいふにも、大事の変にのぞみいそがはしき時も、この如くすべし。
もしやむ事を得ずして、人と是非を論ずとも、怒気にやぶられず、浮気ならずしてあやまりなし。
或(あるいは)芸術をつとめ、武人の槍・太刀をつかひ、敵と戦ふにも、皆此法を主とすべし。
是事をつとめ、気を養ふに益ある術なり。凡技術を行なふ者、殊に武人は此法をしらずんばあるべからず。又道士の気を養ひ、比丘の坐禅するも、皆真気を臍下におさむる法なり。是主静の工夫、術者の秘訣なり。
・呼吸法(腹式呼吸)
常の呼吸のいきは、ゆるやかにして、深く丹田に入べし。急なるべからず。
調息の法、呼吸をとゝのへ、しづかにすれば、息やうやく微也。弥(いよいよ)久しければ、後は鼻中に全く気息なきが如し。只臍の上より微息往来する事をおぼゆ。かくの如くすれば神気定まる。是気を養ふ術なり。呼吸は一身の気の出入する道路也。あらくすべからず。
・掃除
外境いさぎよければ、中心も亦是にふれて清くなる。外より内を養ふ理あり。故に居室は常に塵埃をはらひ、前庭も家僕に命じて、日々いさぎよく掃はしむべし。みづからも時々几上の埃をはらひ、庭に下りて、箒をとりて塵をはらふべし。心をきよくし身をうごかす、皆養生の助なり。
の大切さも述べています。
・丹田を意識する。
・腹式呼吸を意識する。
・掃除
は具体的で今日からでもできるなぁ、と思います。
だいぶ長くなり、わかりにくい文章になってしまいました。もっとわかりやすい文章が書けるように努力します。
にも関わらず、最後まで読んでくれた方、有難うございます。
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