『ウゴ・ラッタンツィ神父 教会の忠実なしもべ』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ、6
子どもたちは、子どもたちで、成長するにつれて、よく両親を助けました。
朝は早くから起き出して、野原に焚き木を拾いに行き、垣根に沿って、山菜を集めたりなどしたものです。
特に子どもたちの気にいっているのは、冒険心をそそる崖のある場所でした。わんぱくざかりのウゴ少年は、崖のふちに生えているエニシダがほしくてなりません。
黄色い花が薬になるというの大人の問題、少年はこれで、立派な焚き木を作ろうと恩いました。思いきり手を伸ばしてひっぱりますと、根は頑固に抵抗し力あまって、ウゴ少年の体は、ずるずると、がけっぷちへのめり出していきました。
「危い!」という叫びをのみこんで、目撃者の村人が父を呼びに走りました。
今、少年の気をちらしたら、まっさかさまに墜落します。〔ウゴ危いぞ!そのまま動くな!〕と無言の叫びをあげ、はらはらして見守っている父のもとに、やがて少年は、意気揚々とやっと取ったエニシダをかついで、戻ってきました。
家に着いた途端、父の恐ろしい雷とともに、大きなげんこが少年の背中に飛んできたのは勿論です。
「あなた、やめて!」とウゴの前に出た母!ふりおろしたげんこつ、途中で止められず、身代りの母を打ってしまいました。それにしてもウゴは、お父さんが大好きです。「ねえ、おとうさん、その椅子にかけるといいよ、僕がその靴をぬがしてあげるから」。
夜遅く疲れて帰ったおとうさんの泥だらけの靴の前にひざまずいて、ウンコラショッとひっぱります。
(挿絵左:がけのふちに生えているエニシダがほしくて……ウゴ危い!)
(挿絵右:おとうさんの泥だらけの靴をぬがしてやるウゴ少年)
子どもたちは、子どもたちで、成長するにつれて、よく両親を助けました。
朝は早くから起き出して、野原に焚き木を拾いに行き、垣根に沿って、山菜を集めたりなどしたものです。
特に子どもたちの気にいっているのは、冒険心をそそる崖のある場所でした。わんぱくざかりのウゴ少年は、崖のふちに生えているエニシダがほしくてなりません。
黄色い花が薬になるというの大人の問題、少年はこれで、立派な焚き木を作ろうと恩いました。思いきり手を伸ばしてひっぱりますと、根は頑固に抵抗し力あまって、ウゴ少年の体は、ずるずると、がけっぷちへのめり出していきました。
「危い!」という叫びをのみこんで、目撃者の村人が父を呼びに走りました。
今、少年の気をちらしたら、まっさかさまに墜落します。〔ウゴ危いぞ!そのまま動くな!〕と無言の叫びをあげ、はらはらして見守っている父のもとに、やがて少年は、意気揚々とやっと取ったエニシダをかついで、戻ってきました。
家に着いた途端、父の恐ろしい雷とともに、大きなげんこが少年の背中に飛んできたのは勿論です。
「あなた、やめて!」とウゴの前に出た母!ふりおろしたげんこつ、途中で止められず、身代りの母を打ってしまいました。それにしてもウゴは、お父さんが大好きです。「ねえ、おとうさん、その椅子にかけるといいよ、僕がその靴をぬがしてあげるから」。
夜遅く疲れて帰ったおとうさんの泥だらけの靴の前にひざまずいて、ウンコラショッとひっぱります。
(挿絵左:がけのふちに生えているエニシダがほしくて……ウゴ危い!)
(挿絵右:おとうさんの泥だらけの靴をぬがしてやるウゴ少年)