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ルイ16世とか

2024-02-20 08:40:36 | その他


 ルイ16世は、どうして逃亡に失敗したのでしょうか? それは彼が重度のワイン好きで、馬車に「銀食器やワイン8樽、調理用暖炉2台など嗜好品や調度品をたっぷり載せ」、のろのろとした速度で、ゆっくりと逃亡したからでした。その為に時間をかけて、馬車を特別に改造させるなどしていました。

 この一事を見ても、彼がどんな人物だったかがわかります。節制とか清貧とか、少なくともキリスト教の美徳の何割かと彼は縁がありませんでした。当時のフランスの支配階級は、多かれ少なかれ、退廃しており、国民の窮乏をよそに贅沢と美食にふけっていました。

 私はフランス革命を支持したり、肯定するわけではありませんが、彼を聖人や殉教者のように扱うのは、間違いです。それはただの反動行為でしかありません。

 次に彼の数代前のフランス王、ルイ13世を取り上げますが、聖ヴィンセンシオ・ア・パウロはルイ13世の死を聖人の死のように手記に書いています。でも、ルイ13世が本当に天国に行ったのか、私は随分と怪しいと思っています。

 ルイ13世治世のフランスは、30年戦争で徹頭徹尾、プロテスタント陣営を支援し、莫大な援助や援軍を与え、それによって数年で終わったであろう戦争は30年も延び、ドイツは人口の数割を失い、廃墟となり、カトリック陣営も勝利することができませんでした。彼は、カトリックの利益より、宗教の勝利より、フランスの国益を優先したのでした。
 
 このような政策や決定は、宰相のリシュリューがしたのでしょうが、リシュリューを信任し続けたのは、ルイ13世です。罷免をして、別人を宰相につける権限も時間も十分にありました。とすれば、ルイ13世は大きな責任を免れることができないでしょう。

 ほんとにルイ16世やマリー・アントワネットを美化したり、そういう極端な動き(盲目的な旧体制賛美)には、うんざりしています。宗教的に、天主の道徳から見て、フランス革命が悪かったのは、疑いありません。でも、それは、ルイ16世達が正しいことにはならないのです。

 他にも、ロシア正教会がニコライ2世を聖人に列聖したりとか、似たような話が沢山ありますが・・・。

 革命が正しいとは、私は少しも思いません。でも、旧体制がそんなに正しければ、そもそも、革命は起きませんから。全ての戦争は、人々の罪がもたらす、とある聖人は預言しているでしょう。フランス革命等も、人々の罪が、特に支配者たちの罪が招いたのです。





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