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ウゴ・ラッタンツィ神父 教会の忠実なしもべ 7

2023-03-09 20:45:42 | ウゴ・ラッタンツィ神父
『ウゴ・ラッタンツィ神父 教会の忠実なしもべ』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ、7

「ありがとう。ところで、今日の学校はどうだったかい?」と父は微笑んでいます。

「ええ、よかったよ、おとうさん。ぼく学校に行けてありがたいなあ!」とウゴ。この慰めの言葉は本当でした。少年は熱心に勉強していたのです。貧しい両親にとって、子どもを村の小学校に通わせることは、並大抵の犠牲ではありません。ウゴは、そのことをよく承知しているのです。

 ウゴは、この犠牲にちゃんと応えたのです。彼は、ただちにクラスどころか学校のトップになり、遊び時間でも親分格です。聖堂でミサ仕えする子どもたち仲間でも、すぐ頭(かしら)になってしまいます。今日も、村中の仲間を集めて、たこ上げ競争を指導しています。

 こんなに調子のよかったウゴにも、思いがけない嵐がやって来ました。

 ある夏の昼さがり、遊んでいた相手の男の子が、突然、「ロバのスイカ」といわれるのを取ってくると、ウゴたたの目の前で、ピチャッ!と叩きつぶしたから、たまりません。スイカは爆発し、水っぽい種がなさけ容赦なくとび散ってゆきました。

「あっ!」と悲鳴をあげて目をおさえるウゴ!泣き叫ぶ声にお母さんがとんで来ましたが、ウゴにはお母さんがもう見えませんでした。

 1年も治療に通った村の医者もお手あげの重症で、彼は、次々と、フェルモ町と、アンコナ市の病院に入院しなければならなかったのです。

(挿絵左:たこ上げ競争)

(挿絵右:ああ!!いたい!)






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