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悪魔が悪人の頭である理由  聖トマス・アクィナス 『神学大全』

2023-12-06 16:11:40 | 格言・みことば
 頭(かしら)は、その肢体である成員を、内的に影響を及ぼすのみならず、外的にも彼らを統治し、ある目的に向けて彼らの行動を方針づける。ここから、誰かが多くの人々の頭であると言えるのは、あるいは、その両方の意味においてである。すなわち、内的に影響を与えており、しかもさらに、外的に統治しているからである。

 ゆえに、この両方の意味で、キリストは教会の頭である。あるいは、単に、外的に統治しているからである。だから、この意味で、全ての君主や教会指導者(司教)は、彼に属する多くの人々の頭である。

 そして、この後者のやり方で、悪魔は全ての悪人どもの頭である。なぜなら「彼は、全ての傲慢の子らの王である」(ヨブ41:25)と聖書に書かれているからだ。

 統治者には、自分が統治する者たちを彼らの目的に導くことが属している。

 ところで、悪魔の目的は、理性的被造物を神から引き離すことである。したがって、原初から、悪魔は人間を神の掟に従順であることから引き離そうと試みた。

 しかし、「神から引き離すこと」自体には、自由の外観のもとに追求される限り「目的」という理念がある。それは、エレミア(2:20)の言うとおりである。「いにしえに、お前は軛(くびき)を壊した、おまえは絆を振り払ってこう言った、「私は仕えない」と。」

 よって、誰かが、罪を犯すことによってこの目的まで導かれる限り、彼らは悪魔の支配と統治のもとに陥る。だから、悪魔は、彼らの頭と呼ばれる。

聖トマス・アクィナス 『神学大全』第3巻第8問







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