M.シュナウザー・チェルト君のパパ、「てつんどの独り言」 

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旧友たちとの再会 その1 Oさん・Tさん

2013-12-21 | エッセイ

 カスケット・リスト(棺桶リスト)を作って、くたばる前にやっておきたいことを書き出している。その一項目に、昔の友人、知人と会っておきたいというのがある。

 持病の心臓君の様子を見ながら、リストの項目にチャレンジしている。もちろん僕の意志だけではどうにもならないこともあるけど、声をかけてOKを出してくれる人たちに会っている。

 今年の旧友との再会は三つあった。皆20年以上の時間が流れての再会だ。こんなに長い間、何故気になっていたのかというのには、それぞれ理由がある。それを含めて紹介したみたい。そして、僕の喜びの記録としても残して置きたい。



 ☆ Oさん

 Oさんは、僕の後輩と言える人だけれど、逆にうんとお世話になった人で、絶対に会っておきたい人の一人だった。彼にはとても恩義を感じている。

 I社のコンサルタント・ビジネスの立ち上げの時、心臓の病気を抱えながら、僕はその第一期生に選ばれ18名でコンサルチームはスタートした。会社にとって、新しい事業でビジネスを立ち上げるのは大変だった。過酷な、徹夜続きのコンサル業務が始まった。

 しかし皮肉にも、それまで病気の存在は分かっていたものの、発症がなくてなんとか折り合いをつけていた僕の心臓君が発症し始めた。遺伝性の病気、心房細動で一分間に170拍も打つ頻拍が発症する。苦しく立ってはいられてなくて、体は熱を持ってくる。これを止めるには、救急病院で電気ショックを受けるしか方法がない。悔しいけどどうにも自分ではならないのだ。

 こんな状態では、チームの仲間たちの足を引っ張るので、コンサルを降りることにした。僕の部門からは、僕が唯一のメンバーだったから、なんとか、僕の後任を部門内で探すことに…。コンサルタント事業部へのキャリア・パスを失うことは、今後の部門SEのキャリア展開の可能性にも影響するとの思いもあったったからだ。

 僕は、内心焦っていた。他の部門からの優秀なSEと伍して動ける人は唯一、Oさんしか思いつかなかった。SEの課長時代の仲間で、当時オートーメーション技術を担当する生産技術部長だった。

 彼に会って、口説いて僕の後任としてコンサル部門に入ってもらった。彼は努力してクライアントの信頼を勝ち取った。すごい。僕の肩の荷がやっと降り、ホッとしたというものだ。

 横浜で会って話していると、30年間という長い時間が、あっという間に「昨日」のような時間になって飛び去り、またたく間に昔の「徳さん、Oさん」の親しさを取り戻せた。楽しかった。彼にとっても、コンサルは新しいキャリアとして良かったようで、お互いに感謝だった。ただ、メチャクチャな残業で、彼の家族にはウンと迷惑だっただろう。

 そうそう、この時、市川さんの本をもらった。



 ☆ Tさん

 Tさんは、津田塾の数学科を出て三菱の研究部門にいたIT系の女性。僕の部のSEの中途入社に応募してきて、最終面接で次長さんが会うので僕も同席した。僕の第一印象は、なぜか、かなり憔悴しているようだな…だった。話を聞くと、どうも会社の中で人間関係がうまくいってないらしい。しっかりとした話はするのだが、どこか暗い印象だった。

 次長さんが採りたいと言ってきた時、僕は同意した。理由は、津田塾の卒業生に対する過去の高い評価が僕の中にあったからだ。仕事を与えれば、彼女たちは、最終的にはなんとかやってくれるという体験をしていたから、彼女にも賭けてみようと思ったわけだ。暗さ、憔悴感は、部門の明るい職場風土の中で消えていくにちがいないと思ってもいた。

 入社後、CAD,CAE(コンピュータを使った製品開発)の分野で、明るく仕事をし始めた直後、僕はコンサルに転出した。だから、その後の変化を確認できていなかった。あれからうまく自信を取りも出せたのだろうかと、ずっと気になっていた。

 Facebookを使い始めた今年の初め、TさんがFBのユーザーだと分かった。大阪でIT関連の職で活躍しているらしい。うまく立ち直ったのだろうかと心配していたからメッセージを送った。東京に出てくることがあったら、飯を食おうと言っておいた。



 出張で出てきて渋谷で会ってみると、昔と違って、明るく、たくましい大阪のおばちゃんになっていた。もともとの美形は、それなりの歳をとって、それなりにやはり美形だった。結婚して名前も変わり、今はもう中学生の娘さんがいて明るかった。

 どうしているだろうかという僕の心配は消えた。その後をFBで見ている限り、楽しい仕事をやっているようだ。やはり、SEは女性の適職だと確信した。今後も頑張ってとエールを送った。


<旧友との再会 その2が続きます>


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