色々な国で、色々なステーキを食べたのを思い出したので、それらを書いてみようと考えた。
肉といえば 僕にとっては牛肉であることは間違いない。鶏肉は、モモをそのまま塩焼きをしたのは美味しいと思う.。豚肉は、生ハム、アイスバインなどに出会うと、うまい肉だなと思う。ラムチョップも美味しいと思う。 忘れるわけにはいかない。しかし、なんといっても 牛肉に収れんすることは、やはり否めない。
僕が若い頃、駐在していたミラノでのステーキといえば、会社のメンサ(社員食堂)でのビステッカとなる。 昼飯でも、みんな赤ワインの小瓶を1、2本飲んでいるから、水でビステッカを食べるわけではない。コントルノ(付け合わせ)としてのバターソテーしたホウレン草とは、とても相性がいい。ほとんど毎日食べていた。
<イタリアの会社>
フィレンツエのビステッカといえば、アッラ・フィオレンティーナというティーボーンステーキに出会うことになる。とても大きな塊でヘタをすると300g 位食べる覚悟がないと挑戦できない。ジューシーに焼けたフィオレンティーナは、本当にうまい赤肉だと思う。 トスカーナだからワインも選び放題。僕の好きなトスカーナワインはモンタルチーノだ。モンテプルチァーノのほうが有名なようだが。
<ビステッカ アッラ フィオレンティーナ>
<ブルネッロ モンタルチーノ>
アメリカでの肉。ニューヨーク州では、あまりうまい肉には出会わなかった。日本の銀座の店が、コックが恰も 日本ショーのような肉の焼き方をして、 高い値段をぶっかけていたが、とても許せるものではなかった。 リアルな日本を知れば、ばかばかしいステーキハウスだった。
テキサス州のオースティンで出会ったステーキハウス、「ダン・マクラフスキー」のステーキは絶品だった。 オーダーさえ、素敵な方法で受けていた。 若い女の子が現物の肉の塊を持ってテーブルに来て説明して、どの部位をお選びになりますかと聞いてくれる。 もちろん量も聞いてくれる。 焼き方も注文に応じて焼いてくれる。 出てくるステーキは、まさにオーダーメイドだ。焼きあがるまで待っていると、煙とにおいに刺激されて口の中に唾液が出てきてしまう。 楽しい店だったけれど、今ググってみても見当たらない。潰れたとしたら残念なことだ。
フランスの思い出で言うと、南仏のモンペリエに「トロワ・ロワ(3人の王様)」というステーキハウスがあった。 ここでは大きな炉で目の前で肉を焼いてくれる。 特に思い出すのは、とても辛いペッパーステーキだった。 肉は分厚くてその周りに、胡椒の粒がまんべんなく贅沢についている。 これにブルゴーニュのワインを傾ければ、こんな贅沢なステーキはないと思う。 モンペリエには仕事で3ヶ月間いたから、この店には週に一度は通ったと思う。 だいたい四人で動いていたが、うちの会社は元々割り勘が当たり前だったから、先輩や上司からおごられた記憶はない。 ここでも割り勘。食べ物の種類、ワインの量に無関係に勘定書きの4等分していた。
<ペッパーステーキ>
僕はワインが好きだから、割り勘負けしたことがないが、親しい友人はアルコールをちょっと飲むと、すぐ真っ赤になって飲めなくなってしまう 。彼も含めて、常に割り勘だから、間違いなく彼は割り勘負けしていたと思う。悔しかったからかもしれないが、日本に帰ってきて、偉くなったら、自分でアルコールが飲めるように努力して、まあ一応飲めるという形にはなっていた。涙ぐましい努力だった。
日本でのうまいステーキの記憶は、やはり一番は浅草の「松喜」のそれだろう。親父を驚かそうと、女友達と一緒だったけれど、そのことは言わないで浅草の店で待ち合わせ。 松喜のステーキは、全てとても高くて、普通のステーキとしての金額では食べられないものだった。 結果としては親父に、たかったわけだ。親父は僕一人に会うつもりでいたらしい。僕がガールフレンドを連れていたので、びっくりしたようで、そそくさと食べて谷中に帰ってしまった。とりあえず食べる前に、彼女を紹介することができたのはいい思い出だ。
<松喜:レストランは閉店したらしい 肉屋さんのみになってる>
自分で食べる牛肉は、決して立派なものではない 。率直に言うと、僕はサシの入った脂っこい和牛ステーキは大嫌いだ。日本人の味覚は間違っているのではないかとさえ思う。 あんなに脂肪だらけの肉を食べて、柔らかくてとろけるように美味しいというのは、どういう舌なのかわからない。やはり肉は奥歯で噛みしめて、その肉の味を楽しむのが肉の本当の食べ方だと僕は思っている。 さらに、日本の肉はめちゃくちゃ高い。こうした肉は、僕は絶対に食べない。
<和牛のサシの入った肉>
そういうことだから、僕が娘の家族に贈る肉も、サシの入った柔らかい肉ではない。 彼女は子供二人と旦那の家庭。 だから最低4枚のステーキを送ることになる。
<ランプステーキ>
最初は仙台牛のランボソと いう部位を、江戸川区の肉屋に勧められて贈っていたが、どんどん値段が高くなって、これはたまんないということで、次のおすすめをお願いしたらランプステーキだった。200 gで3000円弱だから、簡単に12000円を払うことになる。 これは赤肉だから、しっかり噛んで牛肉の美味しさを味わうことができる。彼女の子供達にも 、サシの入った柔らかい和牛を、そのまま食べさすわけにはいかないと思っているからだ。 娘の飼うシュナウザーのエマも、そのご相伴にあずかっていると思う。毎年、 娘の誕生日とクリスマスにその肉を贈るのが恒例になっている。
<エマ>
僕自身には、 こんな高い肉は買えないので、オージービーフのサーロイン 一枚1000円位の肉を週一で食っている。
<普通のオージービーフ>
江戸川の肉屋との付き合いは、仙台牛から始まっているのだが、いつも子供達に送りつけるだけで、自分は食ったことがなかった。どんな肉を贈っているのか知っておこうと昨年、ためしに自分に送ってもらって食べてみた。 ボリュームもあって噛めば噛むほど、本当の肉の味がする良い肉だ。 当面、変更する気はない。
<江戸川区の肉や>
最近はサーロインだけではなくて、柔らかいフィレにも手を出している。 これは僕自身が若いころのように、奥歯で肉を強く噛み締めて楽しむことが、危っかしくなってきたからかもしれない。 この場合も、サシの入ってないものを選んで買っている。この分厚いフィレの焼き方はサーロインと違って難しく、ネットで焼き方を勉強している。 とは言っても週一で食べることは不可能だから、半年に1回ぐらいということになる。大好きな部位であることは間違いない。
どちらにしても、やはり肉といえば牛肉。そしてステーキに優るものはないと確信している。
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