一個前のブログで、桑原君と蔵馬について、ちょっと書いたのですが、
飛影×蔵馬前提の
桑原君と蔵馬というので、
🌸クリスマスの話を、続きで書いてみました。
場面の時期は飛びますが、黄泉のところから帰ってきた辺りの蔵馬と、桑原君です。
。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo
小さな白いものがも落ちてきた。ふ、と蔵馬は手をかざした。
「どうしたん」
桑原が、隣の蔵馬を見つめた。桑原から見たら、蔵馬を見下ろす形になる。
秋の気配も消えて、凍えそうな風が吹いていた。
商店街を、蔵馬はゆっくり歩いていた。
「…雪だね」
ちらちらと降る雪に、蔵馬は桑原を見た。
「ちょっとだけだぜ」
「そうだね」
言って、蔵馬がケーキ屋の前を見た。サンタの帽子をかぶった店員が、呼びかけていた。
はしゃいだ音楽が商店街に流れた中を二人歩いていた。
キラキラしたテープで飾られた店頭を見ながら、蔵馬は桑原を見た。
「クリスマスだね」
ラブソングが商店街に流れていた。
宝石店が、クリスマスセールを強調したポスターを貼っていた。
ふわふわのマフラーと、香水のセットが、「クリスマスプレゼントコーナー」に
ラッピングして
売られていた。ピンクの手袋…キラキラと光るネックレス…商店街に溢れる全てが、
恋人たちのそのイベントを待ちわびていた。
「そうだなー。かわいいだろーこういうの」
ペットショップの入り口に売っている、クリスマスカラーの、猫の服を見て、
桑原が引き寄せられるように手を伸ばした。
「買ってやろ~」
数分後…小さな袋に入ったその猫の服を、桑原が持っていた。
「あいつにあげたらぜってえ可愛いと思う!」
くす、と蔵馬が吹き出した。
「なんだよ」
「…クリスマスって、猫に何か上げるんだね」
は、と桑原が袋を握りなおした。
「お前なら、同級生に一杯もらったりしたんじゃねえの」
不思議そうな顔で、桑原が蔵馬を見た。
「…どうして?」
丸い瞳を転がして、蔵馬が桑原を見上げた。
マフラーを引き上げて、蔵馬は続けた。
「いや、だからお前モテるだろ?だから女の子とか」
きょとんと、蔵馬が道の石を蹴った。
「誰からも貰ったことないよ。クリスマスって…何があげるものなの?」
目を丸くしたのは、桑原のほうだった。
「え…」
商店街の真ん中にあるクリスマスツリーの前で、二人は立ち止まった。
「…クリスマスってほら――何か貰ったり…お前だったら学校でモテモテだろ」
「…友達、いないよ」
小さく、蔵馬が言った。
「すぐにここから帰るつもりだったし…それに」
白い息を、蔵馬は吐いた。
「クリスマス…って、何か貰う日だなんて知らなかった」
二人の息は、同時に白く浮かび上がった。
「ケーキ食べて…食事とか行くだろうが…お前だって…」
「そうなんだ…」
寂しげでもなく、ただ淡々と蔵馬は呟いた。
「もしかして…知らねえの?」
蔵馬が小さく頷いた。
「桑原君、幸せだね」
猫の服の袋を蔵馬が見た。
「そういうこと知らないんだ」
毎年、母は、クリスマスなのに何も上げられなくてごめんねと言った。
そう、蔵馬は言った。
「そっか」
桑原は、それだけ言った。
雪はいつの間にか止んでいた。
「けどよぉ」
ニマ、と蔵馬を見て小さく笑った。
「クリスマスってのは恋人のもんだからぁよ」
蔵馬の左手を、弱く握ったのだ。
「お前にもいいことあるぜ、今年は」
。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo
というね…。
桑原くんとはこのくらいの距離で、蔵馬も、余り自分のことをひとに
話したりはしないけれど、
桑原くんとは話せたらいいなと思います。
蔵馬は自分の家に経済的余裕がなかったと思うので、
こういう感じの会話があってもいいなと思う。
。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo
今書いている🌸冬の飛蔵 小説も、
クリスマス時期の話なので、
ちょっといちゃいちゃした甘ったるい話にするのですが、
飛蔵なので
飛影が強引で格好いい感じですね。
桑原くんは、もっと優しい「人間の先輩」っていう感じでしょうか。
。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo
それから、この間フロマージュさまで通販を始めた件です。
※再販した本のお知らせ フロマージュ様
→こちらで通販出来ます
ダウンロード販売もありますので、どうぞ読んでやって下さい。
と言うか、本当に、見ていただけたら嬉しいです。
ダウンロード販売の方が読みやすくて楽な方もいると思いますので。
ダウンロードもしてやって下さい。
※アストロゲイション
→ ある避暑地に行く幽助や蔵馬たち。都会とは違う涼やかな景色に癒やされている蔵馬達。
けれど、ある少女に出会い、蔵馬が暗く気持ちを落としていく。
悲しく切ない記憶が蔵馬を苦しめる。
飛影の前でそれを言えない蔵馬の手を取る飛影。
「お前の罪は俺の罪だ」
他、霊界で捕まった頃の蔵馬と飛影のすれちがいの話収録。
※No Way To Say R18※
宮廷での恋の物語。サイトで載せている話と同じですが、本の形で欲しいと
言ってくださる方がいるので再販しました。
宮廷で出会った、笛吹きの蔵馬と、皇族の飛影の恋の話。
ある日出会った二人は恋に落ちる。
けれど飛影の兄の鴉が、二人を引き裂いていく。
甘く幸せなときは長くは続かなかった。
引き裂かれても飛影を想い、飛影は蔵馬を想い続ける。
小さな恋の話です。
R18
※ノスタルチュアリィ
傷ついた蔵馬を魔界の隅にある小屋に抱え逃げ込む飛影。
意識を取り戻さない蔵馬に、飛影は愛を誓う。
傷を負った蔵馬を目の前に、何もできない自分を悔やみ、ただ愛を告げる飛影の話。
R18/
結構激しいR18あります。
ダウンロード販売です。ダウンロード販売なので、いつでもどこでも読めます:
こちらから→※ノスタルチュアリィ
・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥
冬に出す本の話が続きます。ちょっとだけお付き合いください。
・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥
🌸鈴蘭の口づけと秘めやかな花の蜜
というR18本を出します。詳しい内容は前回のブログで語ったのですが、
それ以外のこともちょっとだけお付き合いください。
久しぶりに本を出すので、ちょっと気合を入れすぎて、一回書いてから次の日読んで、
やっぱり直すということを繰り返していました。
そのおかげですごくいいものが出来ました!!!!
めちゃくちゃロマンチックで 蔵馬の片思いと、蔵馬を守ろうとする飛影の話が出来ました。
🌸今回、偶然のきっかけで絵を描いてくれているのがSEIさん;@azudra 様です。
飛影×蔵馬前提の
桑原君と蔵馬というので、
🌸クリスマスの話を、続きで書いてみました。
場面の時期は飛びますが、黄泉のところから帰ってきた辺りの蔵馬と、桑原君です。
。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo
小さな白いものがも落ちてきた。ふ、と蔵馬は手をかざした。
「どうしたん」
桑原が、隣の蔵馬を見つめた。桑原から見たら、蔵馬を見下ろす形になる。
秋の気配も消えて、凍えそうな風が吹いていた。
商店街を、蔵馬はゆっくり歩いていた。
「…雪だね」
ちらちらと降る雪に、蔵馬は桑原を見た。
「ちょっとだけだぜ」
「そうだね」
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キラキラしたテープで飾られた店頭を見ながら、蔵馬は桑原を見た。
「クリスマスだね」
ラブソングが商店街に流れていた。
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ふわふわのマフラーと、香水のセットが、「クリスマスプレゼントコーナー」に
ラッピングして
売られていた。ピンクの手袋…キラキラと光るネックレス…商店街に溢れる全てが、
恋人たちのそのイベントを待ちわびていた。
「そうだなー。かわいいだろーこういうの」
ペットショップの入り口に売っている、クリスマスカラーの、猫の服を見て、
桑原が引き寄せられるように手を伸ばした。
「買ってやろ~」
数分後…小さな袋に入ったその猫の服を、桑原が持っていた。
「あいつにあげたらぜってえ可愛いと思う!」
くす、と蔵馬が吹き出した。
「なんだよ」
「…クリスマスって、猫に何か上げるんだね」
は、と桑原が袋を握りなおした。
「お前なら、同級生に一杯もらったりしたんじゃねえの」
不思議そうな顔で、桑原が蔵馬を見た。
「…どうして?」
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きょとんと、蔵馬が道の石を蹴った。
「誰からも貰ったことないよ。クリスマスって…何があげるものなの?」
目を丸くしたのは、桑原のほうだった。
「え…」
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「…クリスマスってほら――何か貰ったり…お前だったら学校でモテモテだろ」
「…友達、いないよ」
小さく、蔵馬が言った。
「すぐにここから帰るつもりだったし…それに」
白い息を、蔵馬は吐いた。
「クリスマス…って、何か貰う日だなんて知らなかった」
二人の息は、同時に白く浮かび上がった。
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「そうなんだ…」
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「もしかして…知らねえの?」
蔵馬が小さく頷いた。
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毎年、母は、クリスマスなのに何も上げられなくてごめんねと言った。
そう、蔵馬は言った。
「そっか」
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R18
※ノスタルチュアリィ
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意識を取り戻さない蔵馬に、飛影は愛を誓う。
傷を負った蔵馬を目の前に、何もできない自分を悔やみ、ただ愛を告げる飛影の話。
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