WEB拍手いただいて本当にありがたいです。コメント無くても、
押してくれる人がいるというのは
サイト見てくれるということなので本当にうれしいです!!
最近、おかあさんからもらった飛影イメージのブローチがお気に入りです。
お久しぶりです。


==========
あ、と言う声が出そうになり、それを……蔵馬は押し殺した。
紅茶のティーポットを傾ける長い黒髪と、窓から射す日の光だけが、その部屋に動いているものだった。
ティーポットから注がれる紅茶の音だけが、そこに響いている音だった。
小さなカップに注がれる紅茶のしずくが…蔵馬の袖に跳ねた。
「大丈夫か」
低い声がした。
そっと蔵馬の手に重なるその手が、ポットを抑えた。
白い、蔵馬の小さな手のひらを庇うように重なった手が、冷たかった。
……主人の手は、いつも冷たい。蔵馬の少し高い体温と真逆だった。
「申し訳…ありませ」
「火傷……」
していないか、と言う声が蔵馬にかぶさった。
窓からの太陽が、僅かに斜めに刺した。陽の光が当たると、蔵馬の髪が、ほんのわずかに、茶色みのある
色に見えた。春の始まりの時期……。暖かい陽の光が、午後の庭園を照らしていた。
「していません」
「見せろ」
訊いたくせに、主人は蔵馬の袖を捲った。
「大丈夫そうだな」
いって、主人……飛影は、紅茶を一口飲んだ。
「少し……濃いな」
言って、隣にあったミルクの入れ物を手に取った。
「すみませ……お口に合わず」
蔵馬が、焦った声で頭を下げた。
冷や汗が伝う身体を感じたのか、飛影は別に、ともう一口紅茶を飲んだ。
「でも、混ぜれば大丈夫だ、別に気にしなくていい。それより」
ふっと、飛影は蔵馬を見つめた。
「飲んで、忘れろ、庭園の花もそろそろ見ごろだ」
スッと、飛影は立ちあがった。立ちあがると、細き引き締まった身体が浮びあがるようだ。
飛影は蔵馬より少し歳が上だった。
まだ、15にも満たない蔵馬は時折飛影のために紅茶を入れている。
すっと立ちあがった飛影の手が戸棚に伸び、小さなカップを手に取った。
「あの……」
蔵馬の声が、戸惑いを帯びていた。
取り出したカップにミルクを先に入れたのは飛影だった。その上から、ティーポットを傾け、カップを差し出した。
「……好きだろ」
以前給仕係に聞いたことを、飛影は口にした。
ミルクティーを、蔵馬が好きだと以前に聞いていたのだ。
「……ありがとう……ございます」
視線が合い、蔵馬は小さくお辞儀をして椅子を引いた。座れば、二人の視線が自然かち合う。
蔵馬は、少し視線を逸らした。
。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo
SEIさん @azudra と作った本 鈴蘭の口づけと秘めやかな花の蜜 の番外編を書いてみました。
飛影のほうが蔵馬より年上設定好きなので、以前blog内小説で書いたものも、
飛影先輩に恋をする蔵馬ちゃん……とかそういうのばかりです。
蔵馬が女の子のバージョンだったら、飛影はもっと強い声を出して
水差しで蔵馬の手に水をかけて…とかそういう感じになりそうです。
あとは、「紅茶くらい自分でやる!!」とかいいそう。
薬までぬってあげそう。
(ちょっと紅茶がかかったくらいで大したことはないんだけどね。この話では)
本当は、飛影がミルクティーを入れてあげる場面を書きたいだけだったのだけど
それじゃあ短いかなと思って書き足したら、
本文に似た場面になってしまった。
でも、
蔵馬がまだ未熟な頃こんなことがあってもいいかなと思います。
ミルクを先に入れたら紅茶の色がカップに残りにくいとは、
チムチムチェリー というマンガに載っていた話で、それを真似てみました。
実際家でもやっています。
本当にカップが汚れにくい!!!
。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo。oOo。.:*:.。o。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo
※このブログは、サイトPink&Cherryのコンテンツの一部です。
サイトトップはここです➡Pink&Cherry
更新した小説➡はつ恋は羽衣のように(リンクから直接跳べます) です。悲恋ものです。
でも続きで救いのある話にするか迷っています。
pixiv版➡更新した小説➡はつ恋は羽衣のように(リンクから直接跳べます)です。悲恋ものです。
。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo
・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥
2022冬~2023年 1月までに出した本を、 通販しております。
その通販のお知らせを、サイトトップに載せておきます。
サイトトップ➡Pink &Cherry
直接通販サイトに行きたい方はこちら➡
フロマージュ様
🌹R18 鈴蘭の口づけと秘めやかな花の蜜 飛蔵
蔵馬の片思い小説です。
ある屋敷の主人、飛影。世話係蔵馬の話。飛影に恋をして、
その気持ちに耐え切れず主人の部屋に忍び込む。
言葉に出来ず、近くにいればいるほど想いが募る。優しくされればされるほど苦しくなる。
そんな蔵馬に目をつけ、手に入れようと手を伸ばす男がいた……。
(鴉)
SEIさまの綺麗な絵が表紙です!!


🌹月に溶ける花の恋歌 R18
飛影に会いたくて魔界に足を踏み入れる蔵馬。しかし足を踏み入れた街に取り込まれ、
男に襲われてしまう。飛影に見つかり抱きつく蔵馬。飛影を呼び助けを求めていた。
この話はR18が3回入ります。

押してくれる人がいるというのは
サイト見てくれるということなので本当にうれしいです!!
最近、おかあさんからもらった飛影イメージのブローチがお気に入りです。
お久しぶりです。


==========
あ、と言う声が出そうになり、それを……蔵馬は押し殺した。
紅茶のティーポットを傾ける長い黒髪と、窓から射す日の光だけが、その部屋に動いているものだった。
ティーポットから注がれる紅茶の音だけが、そこに響いている音だった。
小さなカップに注がれる紅茶のしずくが…蔵馬の袖に跳ねた。
「大丈夫か」
低い声がした。
そっと蔵馬の手に重なるその手が、ポットを抑えた。
白い、蔵馬の小さな手のひらを庇うように重なった手が、冷たかった。
……主人の手は、いつも冷たい。蔵馬の少し高い体温と真逆だった。
「申し訳…ありませ」
「火傷……」
していないか、と言う声が蔵馬にかぶさった。
窓からの太陽が、僅かに斜めに刺した。陽の光が当たると、蔵馬の髪が、ほんのわずかに、茶色みのある
色に見えた。春の始まりの時期……。暖かい陽の光が、午後の庭園を照らしていた。
「していません」
「見せろ」
訊いたくせに、主人は蔵馬の袖を捲った。
「大丈夫そうだな」
いって、主人……飛影は、紅茶を一口飲んだ。
「少し……濃いな」
言って、隣にあったミルクの入れ物を手に取った。
「すみませ……お口に合わず」
蔵馬が、焦った声で頭を下げた。
冷や汗が伝う身体を感じたのか、飛影は別に、ともう一口紅茶を飲んだ。
「でも、混ぜれば大丈夫だ、別に気にしなくていい。それより」
ふっと、飛影は蔵馬を見つめた。
「飲んで、忘れろ、庭園の花もそろそろ見ごろだ」
スッと、飛影は立ちあがった。立ちあがると、細き引き締まった身体が浮びあがるようだ。
飛影は蔵馬より少し歳が上だった。
まだ、15にも満たない蔵馬は時折飛影のために紅茶を入れている。
すっと立ちあがった飛影の手が戸棚に伸び、小さなカップを手に取った。
「あの……」
蔵馬の声が、戸惑いを帯びていた。
取り出したカップにミルクを先に入れたのは飛影だった。その上から、ティーポットを傾け、カップを差し出した。
「……好きだろ」
以前給仕係に聞いたことを、飛影は口にした。
ミルクティーを、蔵馬が好きだと以前に聞いていたのだ。
「……ありがとう……ございます」
視線が合い、蔵馬は小さくお辞儀をして椅子を引いた。座れば、二人の視線が自然かち合う。
蔵馬は、少し視線を逸らした。
。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo
SEIさん @azudra と作った本 鈴蘭の口づけと秘めやかな花の蜜 の番外編を書いてみました。
飛影のほうが蔵馬より年上設定好きなので、以前blog内小説で書いたものも、
飛影先輩に恋をする蔵馬ちゃん……とかそういうのばかりです。
蔵馬が女の子のバージョンだったら、飛影はもっと強い声を出して
水差しで蔵馬の手に水をかけて…とかそういう感じになりそうです。
あとは、「紅茶くらい自分でやる!!」とかいいそう。
薬までぬってあげそう。
(ちょっと紅茶がかかったくらいで大したことはないんだけどね。この話では)
本当は、飛影がミルクティーを入れてあげる場面を書きたいだけだったのだけど
それじゃあ短いかなと思って書き足したら、
本文に似た場面になってしまった。
でも、
蔵馬がまだ未熟な頃こんなことがあってもいいかなと思います。
ミルクを先に入れたら紅茶の色がカップに残りにくいとは、
チムチムチェリー というマンガに載っていた話で、それを真似てみました。
実際家でもやっています。
本当にカップが汚れにくい!!!
。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo。oOo。.:*:.。o。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo
※このブログは、サイトPink&Cherryのコンテンツの一部です。
サイトトップはここです➡Pink&Cherry
更新した小説➡はつ恋は羽衣のように(リンクから直接跳べます) です。悲恋ものです。
でも続きで救いのある話にするか迷っています。
pixiv版➡更新した小説➡はつ恋は羽衣のように(リンクから直接跳べます)です。悲恋ものです。
。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo
・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥
2022冬~2023年 1月までに出した本を、 通販しております。
その通販のお知らせを、サイトトップに載せておきます。
サイトトップ➡Pink &Cherry
直接通販サイトに行きたい方はこちら➡
フロマージュ様
🌹R18 鈴蘭の口づけと秘めやかな花の蜜 飛蔵
蔵馬の片思い小説です。
ある屋敷の主人、飛影。世話係蔵馬の話。飛影に恋をして、
その気持ちに耐え切れず主人の部屋に忍び込む。
言葉に出来ず、近くにいればいるほど想いが募る。優しくされればされるほど苦しくなる。
そんな蔵馬に目をつけ、手に入れようと手を伸ばす男がいた……。
(鴉)
SEIさまの綺麗な絵が表紙です!!


🌹月に溶ける花の恋歌 R18
飛影に会いたくて魔界に足を踏み入れる蔵馬。しかし足を踏み入れた街に取り込まれ、
男に襲われてしまう。飛影に見つかり抱きつく蔵馬。飛影を呼び助けを求めていた。
この話はR18が3回入ります。
