私的音楽雑記帳
FOLK ETYMOLOGY
彼女が傍に居るだけで。
ホームで発見。いちご泥棒が来る♪
うちの施設には、ショートステイをご夫婦で利用される方が結構多くいらっしゃいます。
迎えて、お見送りするまでの間に、お2人の様々なドラマを垣間見ることが出来ます。
夫婦喧嘩してたり、無言だったり、仲良しだったり。
とあるご夫婦。2人ともコンパクトサイズで(失礼な表現かもしれませんが)
とてもかわいらしく、いつも手をつないで来所されます。
デイサービスも利用していて、いつでもどこでも手をつないでいるか、寄り添っている。
この前なんかご飯の時間に伺うと、何やら食べる姿勢がおかしい。
不思議に思ってテーブルの下に目を向けると、手をつないでご飯を食べている始末。
どちらかというと、奥様のほうが耳も遠く若干認知が進んでいることもあり、
行動の主導権はご主人寄り。奥様はじっとしていることが多く、
その様子にご主人が合わせている感じ。
そんな2人に声をかけると、ご主人はいつもこう言います。
「彼女がとなりに居てくれるだけでいいんだ」と。
たまに気持ちが乗っていると、「彼女は僕の貴重品だからねぇ」とも。
それはどうも御馳走様(笑)といつも幸せな気持ちをいただいていました。
そんな2人にも、別れは突然やってきて、
風邪をこじらせた奥様は、入院してあっという間に亡くなってしまいました。
入院したところまでは家族から説明は受けていたらしいご主人。
その後の状況をどこまで理解しているかはわからないまま、
ショートステイに1人でやって来ました。
どんな顔をして迎えたらいいのかな…と思いながら、みんなでお出迎え。
先週会ったばかりなのに、一回り小さくなったように見えるご主人は、
自慢の長い白髪は、まるでベートーベンのようにボサボサ。
心はどこかに置いてきたようで、声をかけてもボヤっとしていて、
ただ、ここに来いと言われたから来た、みたいな感じ。
いつも隣に居るはずの彼女が居ない。それがどんなに辛くて大きな衝撃なのか、
独り者の私にはまだまだわからない世界ではありますが、
それでもその辛さのはしっこぐらいはわかっているつもりでありたい。
(2人で)生きていれば、いつかは誰にでも訪れる別れ。
彼ら彼女らの長い人生の後半たった一部分をご一緒した私達にとっても、
その光景や虚無感、悲しさはじんわり伝わってきて、心が痛いです。
ご主人、1人でもどうか頑張って。
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