NORWEGIAN ICONS@Hillside Forum

ノルウェーのデザイン―美しい風土と優れた家具・インテリア・グラフィックデザイン
島崎 信
誠文堂新光社
ノルウェーデザインの遍歴、思想を知るために、
繰り返し読みたい島崎先生の本。


23日から開催中のノルウェーヴィンテージデザイン展「NORWEGIAN ICONS」に
行って来ました。
オスロ、東京、ニューヨークを巡る巡回展であるこの展覧会。
主催はオスロと東京に店を構えるカフェ・フグレン。
オーナーの一人がヴィンテージデザインの収集家だということもあって、
(このシチュエーション、フィンランドのJAZZレーベルRicky Tickのオーナーに似ている)今年1月にオスロでの開催につながったとのこと。

予想以上の人気だったということで、東京、そしてフグレン3店舗目の地となる
ニューヨークへと巡回することになったようで、その東京でのイベント。
ワクワクで足を運びました。

久しぶりの代官山ヒルサイドテラス。1階と中二階(のようなところ)を
ぐるりとまわるよう構成された展覧会。中に入ると、
1950年代~60年代の家具やチェアが出迎えてくれる。会場内の装飾も面白く、
黒い床と白い壁と天井。そこを貫くように黒い竹が生い茂っている。
その合間合間に作品がレイアウトされているという具合。
わかるものわからないもの、さまざまだけど、ヤン・ルンネ・クヌットセンの
ロンドチェア。こんなにたくさんを実物で見たのは初めて。
カフェで見かけることも多いハンス・ブラットルゥのスキャンディアや
ちょっと贅沢感満載のリボ社のソファなど名作椅子のフロアが最初に広がる。
その先を進むと、照明やテーブルウェアの展示スペースが広がる。
ノルウェーのテーブルウェア…といっても、きっとピンと来ない人のほうが
多いかもしれない。スウェーデンやデンマーク、そしてフィンランドのように
北欧デザインを象徴するような派手さもスター性も控え目なノルウェー。
ゆえに、私もあまり詳しくなく、恥ずかしながら知ってるのは
グレタ・ブリッツ・キッテルセンのロータスシリーズぐらい。
今なら(テーブルウェアだけじゃないけど)MUUTOとか、か。
とはいえ、目の前に展示されている作品は、渋いながらも光を浴びて
時に淡いている。ガラスベースも土の花瓶も、トレイもグラスも、どれもこれも。

もともとノルウェーも、他の北欧諸国と同じように
バウハウス運動の影響を受けてデザインに力を入れていた国。
ご存じのとおり、原油が産出され、漁業などが産業の中心だったこともあり、
70年代あたりからデザインは衰退していった(といっていいのかしら…)こともあり、
他国よりも作品やアーティストの知名度は低い。

今、こういう形でノルウェーのデザインに注目が集まるのは、とても嬉しいこと。
派手さはなくても、地味に日々の暮らしで使われているもの
(ストッケのトリップ・トラップとか、お子様のいる家にはあるのでは?)は多く、
これから何十年も暮らしに寄り添う事を約束してくれる作品が多いのも事実。

若いアーティストもどんどん活躍し始めているノルウェー。
彼らの作品も、近い将来大作品展のような形でこの場で見たい、と
切に思った次第です。
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