6/22 Bugge'n Friends@Blue Note TOKYO

Film ing
クリエーター情報なし
Universal I.S.
一番初めに買ったBugge。
カッコよさが微妙にわからなかった記憶が…

Moving
クリエーター情報なし
Universal Import
その後教えてもらった1枚。
シンプルでクール。これが一番カッコいい。

昨晩、ふとノルウェー大使館のHPを眺めていたところ、来日を知って驚いた。

(チェックしてなかった自分が悪いんだけど)急だったし、
お給料日直前だしなー、などと一応一晩悩んでみたものの、
結論は既に出ていたわけで。
行かなくて後悔するより、まず行かなくちゃ、ということで、
仕事帰りに一人でフラッと見て来ました。

というわけで、5年ぶりのブッゲのライブ。その時彼は一人だったけど、
今回は(昨年も同メンバーで来日)素晴らしい仲間達との共演。
誰かと一緒に演る。それは彼の音楽活動においてとても日常的な事。
とはいえ、作品としてのそれは知っているけど、
実際のパフォーマンスとなると…、それはかなり興味深い。

そんな今回のステージは錚々たるメンバー。
DJでプロデューサーのホアキン・ジョー・クラウゼル、
先鋭派トランペッターのエリック・トラファズ、
サックスプレーヤーのイルハン・エルシャヒンなど。
中でも注目なのは大好きなスウェーデンのジャズ・トリオ
e.s.tのベーシスト、ダン・ベルグルンド。
エスビョルン亡き今、なかなか聴く機会がなかっただけに、
彼のプレイを見ることが出来たのはとても幸せ。

のっけからブッゲのキーボードが冴えわたり、クールに演奏が
始まった。想像するに、ペットとサックスの2ホーンが立ち、
ベースにドラム、パーカッションならスタンダードな
クインテット編成のステージなのかな…なんて想像していたところ、
期待は嬉しく裏切られる。

ブッゲ作品の初期から続くクールでいて疾走感あるリズムをベースに
それぞれのソロも聴きどころも満載。
トランペットのエリック・トラファズ。線の細い独特な佇まいで
皆の音を聞き、要所要所で実験的な音を交えながら、
艶のあるなめらかで力強い音色を聞かせてくれる。
ダン・ベルグルンドのベースは、e.s.tのときとはまた違って、
メンバーそれぞれの音を楽しむかのようにしっかりとリズムを刻んでいる。
演奏の際に笑顔が見られたのには驚いた。
演奏のアクセントとなるパーカッションも存在感たっぷり。
全体が生み出すクールなうねりの中にむせ返るような熱気を注いでくれた。

そしてブッゲはといえば、まるで実験的音表現を楽しむ博士のように見える一面も。
さっきまでクールな顔してシンセを弾いていたかと思ったら、
つまみをひねり出し、会場を実験音楽の世界に突然引き込んでしまった。
引き込まれた会場のボルテージが上がるにつれ、ブッゲのテンションもさらに上がり、
まるでインベーダーゲームの効果音のような音はどんどんエスカレートする一方。
そんなブッゲの後ろでは、メンバーが温かく放置。友ゆえの解放感なのか、
遊び心満載のプレイに会場もかなり沸いていた。

ソロとして活動をスタートした時から自分の音をしっかり持ちつつ、
エレクトロニクスと生音の融合に果敢に取り組んできたブッゲ。
初めて作品を聴いた時、クール過ぎて「なんかカッコ良すぎてとっつきにくい」
という印象だった彼の音。でも、10年が過ぎた今、目の前の彼は
(きっと真面目にやってるんだろうけど)、遊び心を隠さずに、
チャレンジ精神全開で仲間とのステージに真っ向から取り組んでいて、
なんだかすごく輝いていた。

おじさんなのに、いろんな事をやっててすごい人なのに、とてもチャーミング。
かっこいい音なのに、とてもキュートさが伝わってくる。

私はといえば…
ちゃんとどこかのライブ評みたいに、やれ音についてとか、
セッションの素晴らしさとか書かなきゃいけないんだろうけど、
そんなことはとりあえずおいておいて、今回のステージは、
私がブッゲに対して抱いてきたイメージと音の原点回帰。
「ノルウェーのジャズが好き」という初心を思い出させてくれた
嬉しさと感謝でいっぱいで、ただただ今日のステージを見ることが出来て
幸せだったという思い、それに尽きるのです。

終焉後の会場で、ブッゲを待つマークさんに遭遇。
地味に仕事をしている私に「堅気になっちまったのかー」と。
堅気でもノルウェーを愛する気持ちが消えたわけではありません。
今年も目いっぱい楽しませてもらいます♪
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