1/10 Jazztronik@UNIT

  
 今年初・ライヴはJazztronik!元旦にリリースされた『Love Tribe』のお披露目ライヴです。

 昨年DJイヴェントで初めて動くJazztronikを見た私は、これまで育んできたクールなイメージをぶち壊されてしまったものの、「そんな彼も、目の前のおかしな彼も彼なんだ」と思い改め、「じゃあ、ライヴではどうなんだ?」と好奇心にも似た興味を持ってしまいました。どんなパフォーマンスが?そしてどんなしゃべりが??怖いもの見たさ的好奇心は、もう誰にも止められないのです。

 会場の代官山UNITでは、開演前に沖野衆也さんがDJ。ジャージにサングラス、強面ナイス・ガイの粋でいなせで(ライヴを盛り上げるためになのでしょう)上がり切らないセレクトに、ライヴへの期待が高まりつつ、普段定例イヴェントを行う二人のアンバランスな組み合わせに、改めておかしさがこみ上げてくるのでした。音楽的ではなくて、ヴィジュアル的ミスマッチ!

 そして少し時間を押して、ステージにメンバーと共に、ジャケット(襟立て)で髪もちょっとお洒落に決めた(でも下のジーンズとのバランスが微妙な)彼が現れてライヴはスタート。『Love Tribe』からの楽曲をメインにしつつ、序盤はドラマティックにじっくりと聴かせてくれ、一気にステージに引き込まれてしまいました。しっとりと弾き始めたり(Life Cyncopation)、Jazztroお決まりのダンスビート(四つ打ちか)でフロアは大盛り上がり。一度は生で聴いてみたかった「Samurai」のイントロを弾き始め、喜んだもつかのま、本当は最初はこうだったという、失敗したんじゃないの?と思ってしまうほどのアフロバージョンに、改めて『七色』のアルバムとしての完成度の高さを感じてしまったのでした。
 ライヴ全体をとおして、女性ヴォーカルもコーラス、ドラムやパーカッション、そしてメンバー全ての演奏を、彼が一番楽しむように鍵盤を叩きながらニコニコしているのが印象的でした。アンコールで繰り広げられたドラムvsパーカッションの壮絶なバトルが今回のライヴ最大の目玉。まさかこんなすごいことになろうとは、彼自身思いもよらなかったのでしょう。ステージに座り込んでそれはそれは嬉しそうに見ていました。

 移籍第一弾だったためか、新作『Love Trive』の帯に改めて記されていた“野崎良太がプロデュースする、特定のメンバーを持たないミュージック・プロジェクト=Jazztronik”そして、それを今回のステージはそのまま物語っていたのでした。彼がフロントマンとなり、彼がイメージした音楽を、メンバーが思い思いに膨らませてパフォーマンスを繰り広げていく、その様子を見守りつつ、リードしつつ、フロアを巻き込んで盛り上げていく、とでもいうような。それは比較の対象がずれるかもしれませんが、渋谷毅オーケストラの渋谷さんや、渋さの不破さんの姿のようでもありました。Jazztroはまだまだ若いけれど、きっと好奇心の赴くままに、いずれはそういう事を平気でやってのけてしまうんだろうなぁ、とライヴを楽しみつつ思ってしまったのでした。

 それとは別に、特筆すべきはやはりトーク。どうしてそんなにしゃべるのか?というぐらいに演奏の合間合間にしゃべるしゃべるしゃべる。風邪気味で調子悪いだなんて、ウソなんじゃないの?と疑ってしまうほど、曲の解説を始めたり、素朴な疑問をフロアに投げかけ、そして反応の無さに軽く落ち込み、それに懲りず再びしゃべりはじめ、メンバーに注意されたり・・・と。楽曲やパフォーマンスのクールさと飾らない姿のアンバランスさもまた彼の魅力なのでしょう。

 来年はめでたい10周年。宣言実行なるか、CCレモンホールでどんなコンダクターぶりを発揮してくれるのか。今回のライヴは、あくまでそのための助走に過ぎないのでしょうね。

Thanks: Jazzken
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