2/19 そばも食べたい。

 今朝、母の夢は見なかった。

 昨日のこともあったので、出勤してある程度書類等々の整理がついたところで、ユニットのラウンドに出た。

 今、まさに命が消えそうな、不安定な方は割とたくさんいる。もう、ほとんどが100に近い方々なので、それはもう自然なこと。とはいえ、皆、後悔のないように(というのは何か変だけど)一日一日を大切に過ごしたいと思っている。

 一度レベルが落ちたけど、先週になって持ち直した●さん。今日はやけに朝から食べる意欲が強い。あまりに強いので、皆「吐いたら本人の負担が大きい」と止めさせた。聞くと、昨日もかなり活気づいていたらしく、メガネやタオルも食べようとして皆を笑わせたそう。この調子だと、大好きなそば(今はすすれないので無理)も食べられそう?


 昼食も終わり、ひと段落…と思ったら、ユニットから連絡が入り、もういよいよやばいとのこと。急いでユニットに走ったけど、間に合わなかった。

 あっという間に死んでしまったようで、まだホカホカ温かくて、寝てるみたいで、皆あっけにとられていた。午前中はリビングで心地よく過ごしていたようで、突然、ペコリとお辞儀をしたので、皆びっくりしたそう。その後、一気にレベルダウンしたのだそう。

 「みんないるし、今日でよかったね~」

 「なんか、●さんらしい最後だね~」

 「ハフッ、って息吹き返すんじゃない?」

 そんな話をしながら、皆でベッドを取り囲んで、嘱託医が死亡確認に来るのを待っていた。


 これでよかったのか?という疑問や後悔は、毎回ある。正解なんてないのもわかっている。

 こうやって、たかが栄養士でも、命が枯れていく場面に寄り添うことが出来るのは、福祉施設だからこそ。

 病院に勤めていた時には、たとえターミナル病棟担当だったとしても、最後の場面に寄り添うなんてことはあまり出来なかったし。

 静かに枯れるように…ではなく、最後はガツガツ食べて、ペコリとお礼して、ガクッとうな垂れて人生の幕を閉じた●さん。いろいろ考える時間をくれて、どうもありがとう。
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