11/23 地域力フォーラム@早稲田大学





 第二回目の「地域力フォーラム」に参加するため、初めて早稲田大学に行ってきました。

 空に映える大熊講堂や、いちょう並木がきれいで、祝日だというのに学生さんもたくさん。

 「地域力フォーラム」は、一回目は明治大学で開催され、そのときにはたしか150人だか250人だったか・・・。ぎゅうぎゅうの教室で聞いた話は、内容もかなりぎゅうぎゅうで・・・後半苦しかった記憶がありましたが・・・。

 今回は500人超の参加とのことで、会場は広くなったものの、あいかわらずぎゅうぎゅう。4人がけの椅子はみっちり4人が座っているので・・・それだけでかなり苦しい。

 という話はさておき、今回のテーマは「持続する価値観と文化のために」ということで、農業だけでない、福祉も産業も暮らしもみんなひっくるめての「地域の力」について、さまざまな活動を行っている人や団体の話を聞いて、深く考えていくという企画でした。一回目のフォーラムで投げかけられた「持続可能な社会は地域からではないか」という問いかけを受け、それを見つけていくという今回のフォーラム。内容は相変わらず濃いです。

 今回の基調講演も内山節先生。どうやら体調が悪かったようですが、いつもどおりのやさしい口調で、お話をお聞きすることができました。先生が前回問いかけた地域の力。その続きが今回の話の中にはありました。
 極端な意味での「自分たちが暮らす町、村が中心。その他は別にどうだっていい」という考え方。基本はそこで、でもそうあるためには、結局のところ、他の集落の安泰、日本の、そして世界が平和でなければ、自分たちの町の幸せも危ういという世界のしくみ。出所は自分中心でも、結局は社会や世界の平和を願っているということにつながる地域力。人と人の連携も大切だし、自然との共存も大切。「生命活動が連鎖する世界が、私たちの暮らしの基盤」というところ、なるほどな~と哲学にうとい私でも思いました。声を大にして「世界平和!」を叫ばなくても、自分たちの暮らしをきちんと紡ぐことを考えて実行することで十分プラスの行動になるんだなぁと。

 その後のプログラムは、リレートーク、対談、パネルディスカッション、協賛団体の活動紹介など、6時間超の盛り沢山スケジュールが進行していきました。

 実際に農村や世界の集落に飛び込み、そこで暮らしを築いたり、人とふれあってきた人たちのリレートークでは、実際の暮らしぶりや、その飛び込んだ地域で生計をたてるための手段について話を聞きました。衣食住すべてを完全自給自足するおじさん、一年を10個の仕事をこなしながら家族を養うお父さん、ベンチャー企業を設立しつつ、ミクロネシアの集落に飛び込み、人の暮らしとは何か?旅とは何か?人生とは何か?を模索し活動を続けるお兄さん・・・。どの生き方も、今の私には難しいものばかりですが、「地域に溶け込み、そこで何かを得て、発信する力」のようなものを強く感じました。

 対談では、おもに高齢者福祉に特化したお二人の「場所の力」を感じさせるお話が展開されました。対談・・・というよりは、それぞれが各地域で立ち上げた福祉施設だったりサービスの取り組みを知るというかたちでしたが・・・。
 正直、ここで私は中山間アナリストと共に中座して、敷地内で開催中の北欧イベントをひやかしに行ってしまったため、多くは資料を読むばかりなのですが・・・、現在、同じような(同じじゃないか)福祉施設で仕事をする身としては、この利用する高齢者ありきの取り組みには頭が下がるばかりでした。こんな施設が東京にもあったら・・・なんて。

 最後はパネルディスカッション。現在、TTP問題がニュースでも大きく取り上げられるほど、日本の農業はいっぱい問題を抱えているけれど、そんな農業も流通を考えて、産業になる部分がなければリスクばっかりが伴ってしまい商売になりません。そんな問題を解消するかのごとく、独自の視点と方法で道を切り開いてきた方々のお話を聞いて、今回のフォーラムは締めくくられました。産直市場の常識を覆したユニークな社長。専業農家主婦だったお母さんが、農産品を加工する会社を作り、生産者をバックアップする体制を作り上げた事例、そして、人口1700人の集落でたった一つの特産物「ゆず」をブランド化し、全国に向けて売り出し展開を行うことで、集客効果まで上げた元JAのおじさん。ただただみんなすごかったです。

 
 私は、誘われるがままに毎回このフォーラムに参加しているだけですが、いろんな活動をしている人たちの話を聞くだけでも、十分自分にプラスになっていると感じています。

 暮らし、農業、地域、子育て、介護・・・。それぞれはなんだかバラバラの問題を抱えているようにも見えますが、実はやっぱりつながっていて、ひとつの問題を考えていく上で、すべてのことについて考えていることに気付きます。一人ひとりがそういった問題ときちんと向き合って考えていくこと。無理にNPO団体に入って活動する(ことを否定するわけではないけど)よりも、日々の暮らしの中で持続していく問題として考えていくことが、とりあえずそこが今は一番大事なんじゃないかしら・・・と、漠然とではありますが思った次第です。


 余談ですが、その北欧イベントとはこんなものでした。




 本日は二日目ということで、ノルウェーの劇作家「ヘンリック・イプセン」についてのパネルディスカッションが行われていました。10分くらいしか聞けなかったので、会場の雰囲気ぐらいしか感じることができませんでしたが・・・。

 国際イプセン演劇祭も開催中なので、ちょっと足を運んでみたいなぁと思った次第。

 
 濃密な一日、ちょっとだけ学生気分も味わえました。

 
第二回地域力フォーラム
「持続する価値観と文化のために ~自給の力 場所の力 農の力~」
早稲田大学10号館109教室
13:30~19:00

今日の北欧パフォーミングアーツ
第二日目「現代のイプセン上演をめぐって」
早稲田大学小野記念講堂
11:00~18:00
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