北欧のスタイリッシュデザイン@東京都庭園美術館

 4月22日から6月18日まで行われている、フィンランドのアラビア窯の作品展を見に行ってきました。
正直なところ、デザインとかこういった芸術作品というものにうといので、わかりそうな友人を誘って、さながらピクニック気分。北欧のデザインブーム(?)は以前から話題となっていますが、うちにあるそれらしきものといえば・・・アラビアのムーミンマグ(トロールとムーミンパパ)とかきれいな色のイッタラのグラスぐらい。それでも1ヶ結構するんだよ。

 で、今日のお目当ては、GW企画の講演。聖心女子大学教授の冨原眞弓先生を迎えての「ムーミン谷の七つの謎」。早い目に行ったにも関わらず、会場はほぼ満席になりかけで、後ろの方に座り話を聞くことができました。
架空の妖精(カバじゃない)ムーミンを生み出したTove Jansson(トーヴェ・ヤンソン)の経歴に始まり、フィンランド、そして北欧5ヶ国の時代背景などなど、まるで大学の講義を聞いているような気分で、まわりの人(隣の友人も)はウトウトしていましたが、なかなか興味深かったです。今まで自分なりに学んできたノルウェーをはじめとする北欧の歴史背景なども確認でき、改めて納得したり、と、たまにこういう機会に学ぶのもいいなぁと思いました。
 ムーミンというと、子供の頃に見たアニメの記憶しかないのですが、ヤンソンさんが、ムーミンをはじめとする絵本やノベルなどの作品に込めた想いというものが、今回の講演を聞いて少し理解できたような気がしました。現代(当時は30年前か)が抱える様々な問題に対して物語を通して提言しているとでもいうような。

 ヤンソンさんの生い立ちを聞いて、何となく浮かんだのはキム・ヨルッティ。芸術家の両親の間に生まれ、やはり自身も同じアートの道に進んでいくところなんかとても酷似している。ま、男ですが。そういえば、この前何か新しいことを始めていましたね。キムつながりで、2004-2005にかけてアラビア窯のゲストアーティストに迎えられた、キム・シーモンソンの作品(確か、ウサギのタトゥー)も展示されていましたが、無垢なようでいて実はどろどろした邪念や欲望が渦巻いているところが伝わってきました。同い年なのね、彼。

 講演の後、アラビア窯の作品をゆっくりと見て回ることに。それにしても、GWのせいかものすごい人の数。日本にこんなにも興味を持っている人がいるのだろうか・・・?と高をくくっていただけに、二人でびびってしまいました。
 年代を追って作品を見進めるうちに、そのシンプル且つ洗練された食器の魅力に触れることができたような感じです。特にカイ・フランクの作品〈キルタシリーズ〉などは、初期の作品でまるで急須のような作品があり、「これ、絶対日本文化の影響を受けてるよねー」と話していたら、参考資料のところでやはり来日していて、日本人にレクチャーしつつ、自身も日本文化に影響を受けている事が記されていたり、と。使いやすさや色使いなどは、やはり独特の作品の持つ温かみを相俟って、無理してでも買って帰りたくなる衝動に駆られてしまうのでした。

 アラビアが掲げているモットー。実用的、機能的、安価でしかもおもわず顔が綻んでしまうようなデザインのユニークさ。それを実際に感じることのできた素敵な時間でした。

 では、ムーミンマグでコーヒーでも飲みましょうか。
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