5/19 Chris Botti @Blue Note Tokyo

 容姿端麗、スムージーなトランペットの音色に惹かれ、半ば思いつきでチケットを予約したのが数ヶ月前。あっという間に当日になってしまいました。

 N.Yを拠点に活動するジャズ・トランペッター、Chris Botti。単独では初の来日公演なのだそう。サポートバンドを引き連れさっそうと現れた彼は、キリッとした目の鋭さがそうさせるのか、どこかStingを思わせました。リリース音源と前情報からは、スムース・ジャズ、easy listeningなのかしら?と思っていたのに、目の前の彼は、それこそStingばりのロックにも通じる熱いパフォーマンスを繰り広げ、その予想外の展開に驚いてしまいました。“抑制の美学”だなんてウソつき!と思いながらも、サポートのドラムの必要以上にダイナミックなドラミングに挑発されてか、さらにフロア狭しとトランペットを吹きまくるのです。かといって、暑苦しさとか汗臭さみたいなものは、みじんも感じさせず、クールにやってのける姿には、1曲終わるごとに思わずため息が漏れてしまうのでした。自分のかっこよさを知ってる人ってすごいなー、と。

 マイルズを強くリスペクトする彼は、「Kind Of Blue」からFlamenco Schetchesを披露。甘いかなーと思いつつも惹きつけられるその音色は、またもや好きだという映画「ニュー・シネマ・パラダイス」でも同じ。愛しているものをそのまんま表現するのではなくて、ちゃんと自分の中で消化して、オリジナルとしてサラッと(しかも優雅さもおまけして)表現してしまうのです。

 彼が生み出すそれは新しい何かか?と問われると、ちょっと困りますが。こういう見た目にも美しく、且つ実力も兼ね備えたアーティストが、各楽器に(しかも各時代に)一人ぐらいいたほうが、彩りがあっていいんじゃないかなぁ、と思いました。リー・モーガンみたいにね。

 ステージ後、ジャージ姿でサインに応じる姿も素敵でしたよ。
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