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戸谷学『ヒルコ 棄てられた謎の神』内容と感想

2013-04-20 09:26:44 | 紙の書籍
河出書房新社 戸谷学『ヒルコ 棄てられた謎の神』を読了しました。

内容と感想をざっくりと備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【目次】
まえがき ヒルコから始まる根源の系譜
第一章 流された神・ヒルコの謎 漂着神話に由来するエビスと隼人
第二章 太陽の化身・オオヒルメの謎 海人族が奉斎した八幡神の母
第三章 「丹」をつかさどる神・ワカヒルメの謎 銅鐸は紀氏一族の祭器か
第四章 北極星となった神・アメノミナカヌシの謎 呉太伯伝説は海を越えて
第五章 降臨する現人神・スサノヲの謎 渡来神話が示す歴史的事実
あとがき
参考資料


【内容】
ヒルコは『古事記』ではイザナギ、イザナミの最初の子でありながら棄てられた神。高貴な生まれであるにもかかわらず、なんの来歴も語られずに、生後すぐに葦舟に乗せられて遺棄されたのは何故なのか?

第一章
ヒルコの誕生とその妹ヒルメの関係について解き、ヒルメはアマテラスだとしている。
第二章
ヒルメの父祖が江南の呉太伯か、陳大王かについて論じ、ヒルコは呉王・夫差なのかも検討している。
第三章
日本に渡来した江南の海人族が紀氏となり、紀州で丹(水銀)を求めてニウツヒメ(ワカヒルメ)を奉斎する歴史を追う。
第四章
ヒルコの始祖にあたるアメノミナカヌシの正体に迫る。
第五章
スサノヲがヒルコである可能性について。


【感想】
ヒルコは『古事記』ではイザナギ、イザナミの最初の子でありながら棄てられた神。高貴な生まれであるにもかかわらず、なんの来歴も語られずに、生後すぐに葦舟に乗せられて遺棄される。これは私も以前から気になっていたことだった。
自分の勉強不足で知らないことも多く、なるほど~と思いつつ勉強になった。ほかの研究者では、また違った見解があるのだろうが。
著者は神職にある方、ほかにも何冊も神話関連の本を出されている。ほかの著書も読んでみたい。


【余談】
私は古代神話の世界が好きだ。この本は、昨年秋にカムカムミニキーナ『ひーるべる』を観劇したこともあり、紀伊國屋書店で見つけて衝動買いした本。映画や舞台、特に本は出会いがあるように思う。呼ばれているというのか、呼んでいるというのか。

蔵書の中から関係ありそうな書籍たちをピックアップ♪

原生林 梨木香歩『丹生都比売』
河出文庫 福永武彦 訳『現代語訳 日本書紀』
角川文庫 『新訂 古事記』










 


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