野の草

　　　　　　　愛情と手入れを十分に受けて、誇らしく咲いている花屋さんや
　　　　　　　美しい庭の中の花々はすばらしいけれど、
　　　　　　　何となく道端で咲いている花々のたたずまいもいいですね。


　　　　　　　毎年、同じ場所に、とつぜん出現するのです。

　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　



　　　　　　　　


　　　　　　　可愛らしい花ですが、いつか、摘んで帰って写生しようとしたらとても難しかった。

　　　　　　　描けるものならやってみて！！と挑戦してくる。

　　　　　　　今年は、ただ写真を撮らせていただくことにしました。

　　　　　　　道端にしゃがんでいると、散歩中のご老人が近づいてきて、

　　　　　　　「ああ、写真ですか」

　　　　　　　気分でも悪くなってうずくまっていると思われたかもしれません。

　　　　　　　「アハハ」と、花の笑い声が聞こえました。







　　　　

ヒメジオン

　　　　　　　　　　　　




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヒメジオン　それでも、虫を養いぬ




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ピンボケで虫がかすんでいます。ごめんなさい。




　　　　　　　　　　　　

彼岸

　　　　　　　　　昨日は春分の日でした。お彼岸のおはぎがたくさん売られていました。

　　　　　　　　　子供の頃は、この日に、母がおはぎを作ってくれるのが楽しみでした。

　　　　　　　　　昔は家族が多かったので、炊くコメも用意する小豆やきな粉もかなりの量でした。

　　　　　　　　　炊き上がったご飯をスリコギで少しだけつぶして、やはりつぶした粒あんを絡めるのです。

　　　　　　　　　まばゆい陽射しが縁側の向こうの庭に照り付け、春の花が咲き始めていました。

　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　ここ数日、空が衣替えしたかのように、この町が暖かくなりました。

　　　　　　　　　呼応するかのように、花々も背伸びをして、微笑んでいます。


　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　

こぶしの季節

　　　　　　　　　　春は、すでに、
　　　　　　　　　　この町に足を踏み入れています。

　　　　　　　　　　静かな住宅街の、だらだら坂にも、こぶしが花盛りでした。


　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　こぶしにはやっぱり青空です。
　　　　　　　　　　もやもやした雲がこぶしの白を引き立てています。


　　　　　　　　　　
　





　

冬の薔薇

　　　　　　　　


　　　　　　　　　　薔薇は冬空の下で咲くのでしょうか。

　　　　　　　　　　薔薇は一輪だけでも咲くのでしょうか。

　　　　　　　　　　薔薇は誰にも見られることなく、咲くのでしょうか。




　　　　　　　　　　繁華な下北沢の裏の、ひっそりした路地で、

　　　　　　　　　　なぜか美しい薔薇が、空中に架けられたように咲いていました。

　　　　　　　　　　ふしぎですね。二月なのにと、

　　　　　　　　　　立ち去り難いひと時でした。