増田カイロプラクティックセンターの近況レポート

筋骨格・神経・アレルギー(NAET)・感情の統合療法。
増田裕D.Cのブログ

2006年2月25日 メニスコイド

2006-02-25 20:58:36 | 近況
増田院長記

○背骨の関節の可動域が低下することをカイロプラクティックの専門用語は「サブラクセイション」と呼ぶ。直訳すると亜脱臼となるのだが、それは間違い。カイロの概念ではそれに伴い神経系のはたらきに異常が起こる。つまり複合的概念なのである。簡単に言うと骨のずれに伴い神経のはたらきに異常が起こるのである。

 さて、そのサブラクセイションであるが、私が留学中あるセミナーを受けた時、背骨の後方関節である椎間関節のあいだにメニスコイドという物質が取り込まれて、これが関節の可動性を低下させるという新説が紹介された。もう15年ぐらい前の話である。そのときは新しい知識を得るのにワクワクしていたのでおもしろかったのだが、今となって考えると、問題はどうしてそのメ二スコイドができるのか?どうしてそれが取り込まれるのか、このことを深く考えないと意味がない。

 ここでもカイロの「なぜ?」を問わない、機能疾患を扱いながら、病理的志向を密輸入した思考パターンが如実に出てくる。これは結果である。原因ではない。まず、背骨の内在筋のアンバランスが起きる。これはそれらの筋肉を支配している神経のアンバラスの結果である。神経と筋肉の働きがアンバランスになると、血流やリンパの働きが低下する。そうすると、メニスコイドのような物質が産生されて、関節内に取り込まれて関節の可動性を低下させるのである。

 したがって、カイロの治療は神経のバランスや筋肉のバランスを整えれば、自然治癒力が出てきて、こうしたメニスコイドも消失していくのである。だから、アクティベータのような軽い刺激を与えるだけで非常に大きな結果を得ることができる。よく考えない人は、アクティベータでは関節内に取り込まれたこれらのメニスコイドは破砕されない、やはりOsseous Adjustmentでなければいけないと素朴に考えているようだが、臨床の世界は事実がものを言うのである。

 カイロプラクターに欠けているのは西洋医学の医師と同じように、「なぜ?」という疑問を持たないことである。肩が痛い。胸鎖関節、肩関節、肩鎖関節に障害がある。棘上筋に圧痛がある。これを治療する。しかしこれは治療の端緒である。問題は、「なぜこれらの障害が起きたのか?これを深く追求しないと対症療法に終わるということである」。アクティベータもそれだけでは対症療法に終わることもある。これは肝に銘じておかなければならない。

○以前書いたこともあると思うが、50代の女性。主訴は左股関節の痛みである。以前スポーツで傷めた右足首をかばっていたら、左の股関節が変形症を患うようになった。医者は人工股関節の手術を勧めるが、寿命は10年だというので、逡巡していた。整形の世界に詳しい人の話では、その10年という話も怪しいもので、左に体重のかかっている状態では5年も持たないかもしれない。実際に、3年くらいしか持たなかった例もあるという。それは、体重を支える軸受け部分の骨が損傷してしまうからだ。それで、当オフィスでは、アクティベータ、BK、NAETの治療法を組み合わせている。構造的アプローチではなく、機能的アプローチである。とくに、大腸経の遮断の関与が大きいと睨んでいる。最初よりは痛みは軽減してきているが、一日中立って仕事をしていると、夕方あたりは激痛で鎮痛薬や座薬をせざるをえないという。本人も辛いが、こちらも必死で治療している。早くトンネルを抜けられることを願いながら。

○昨日のブログは書きすぎたので、今日はこれでお終い。
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