増田カイロプラクティックセンターの近況レポート

筋骨格・神経・アレルギー(NAET)・感情の統合療法。
増田裕D.Cのブログ

2006年2月15日 橋本病とヨウ素アレルギー

2006-02-15 07:20:13 | 近況
増田院長記

○日本人名のついた病気で有名なのは標題の橋本病と川崎病であろう。世にパーキンソン病、アルツハイマー病など人名のついた病気は数多くあれど、私が知る限り日本人名のついた病気は後にも先にもこれだけである。もし他にもあるよと知っている人は教えて欲しい。とくに、橋本病は橋本策博士がドイツ留学中に発見した病気で、ドイツ医学誌に論文が掲載された(1912年)。しかし、この論文が評価されたのは第2次大戦後。しかも海外で評価された。橋本博士の仕事は生前は評価を受けることがなかった。いつものパターンですね。しかし、遅まきながら日本でも橋本博士の業績が評価され、日本甲状腺学界のロゴマークは橋本博士の胸像である。生誕地の三重県伊賀の医師会では橋本博士の業績を称えている。

さて、この橋本病、別名慢性甲状腺炎、あるいは甲状腺機能低下症は見落としがちな病気のひとつである。栗原甲状腺クリニックのHPによると、以下の記述がある。

◎日本人に多い。
◎40~50歳の女性に多い。
「体を守る免疫機構が、自分の甲状腺を攻撃して起きる甲状腺の機能異常が橋本病とバセドウ病だ。良く耳にする病気だが、実像があまり知られていない。薬で日常生活が支障無く送れるようになる。
盛岡市にある栗原甲状腺クリニックの栗原英夫名誉院長は「橋本病と診断される人のうち、実際に甲状腺ホルモンが不足する人はわずか。仮に不足した場合でも、1粒10円、患者負担にすれば1粒2~3円の薬を1日1~2錠飲んでいれば何と云うことはない。それなのに必要以上に難病視されて、苦しむ人もいる」と話す。
橋本病では甲状腺の組織に慢性の炎症が起き、一部の人にホルモンの不足が起きる・むくみや寒がり、気力の低下、便秘などが主な症状だ。
1912年に九州大の橋本策博士が報告したことから、この名が付いた。慢性甲状腺炎とも呼ばれる。
ホルモンが正常な場合について、岡村さんは「甲状腺の腫れが大きい人、超音波で見て炎症が強い人、ホルモン不足を起こしやすい高齢者は年1回、それ以外の人は数年に1回検査を受ければよい」という。あとは甲状腺が急激に、しかも周りから見て分かるほど腫れてきたときに、病院へ行けばすむという。
●機能低下はなくても、橋本病と分かったら、どんな注意が必要ですか?
年に1回程度、念のため経過を調べることと、ヨードの摂りすぎに注意することです。コンブなど海草類を大量にとると、甲状腺の機能を抑えます。ヨードの入ったうがい薬を毎食後使って、機能低下を起こした例もあります。これらは止めれば元に戻ります。普通に食べている限り、問題はありません。
「甲状腺ホルモンが不足している場合はどうしたらいいのか?そもそも不足は一時的に起こることもある。橋本病の人がヨードを含む海藻を大量に取り続けた場合などだ。
「これは健康食品などで、根コンブを大量に食べ続けた場合で、それを止めるだけで、まず治ってしまう。通常の食事の範囲の海藻を控える必要はない」と神戸市にある甲状腺専門病院、隈病院の深田修治・内科部長は話す。
甲状腺の炎症が強まってホルモンが貯蔵庫から漏れ出し、その後一時的な低下が起きることもある。これは産後に多い。貯蔵庫から漏れているときにはホルモンが過剰になるため、間違ってバセドウ病の薬が出され、ホルモンを一層不足させることもある。
●若い女性の場合、妊娠や出産への影響を心配する人も多いようですが?
甲状腺機能が低下すると、妊娠しにくく流産しやすくなりますので、機能低下が分かったら、すぐに治療することが大切です。治療さえすれば、出産、授乳も心配ありません。
治療 「甲状腺ホルモン剤を、少量より必要量まで徐々に増やしていく代償療法。」

状 <1>甲状腺が硬く腫れる。
<2>以下の甲状腺機能低下症の症状が現れる。
   1.全身倦怠
   2.体重増加
   3.便秘
   4.寒がり
   5.皮膚の乾燥・皮膚が荒れる
   6.生理不順
   7.記憶力低下
   8.種々の不定愁訴
<3>更年期障害として見過ごされることもある。
<4>コレステロール値が上昇する・・・・・コレステロール合成阻害剤を服用しても低下しにくい。

○この指摘はとても参考になる。通常、橋本病はヨード不足が原因と見られているが、ここでは逆に「ヨードの過剰摂取」が問題となっている。ヨウ素にたいするアレルギーの観点で考えると、実に辻褄があう。ヨウ素のアレルギーでヨウ素不足となる。それが橋本病に繋がる。ヨウ素を過剰摂取すると、アレルギー反応をさらに悪化させて症状がきつく出る。

 静岡に橋本病が多いということを聞いたことがある。まさか富士山が見えるところではあるまい。おそらく海産物が豊富な土地柄ではないかと思っていたが、そうであればヨウ素不足など起こるはずもないのになあ、と思っていたのだが、これで納得する。ヨウ素アレルギーである。これが遺伝子の上に情報として組み込まれたのかもしれない。

○本日、○○保険会社から電話が入る。「おたくにかかっている○○さんの件ですが、自賠責なので本来先生のところは不適用すが、本人も強く希望されていますし、これまでかかった3回の治療経過も非常にいいので、保険を支払うことにしました。ほぼ20回位でよくなるというお話も伺っておりますし、当社としても経済的であるのにこしたことはありません。先生は信頼できるかただと伺っております。つきましては、明日お伺いしてお話をさせていただきます」

こういう保険会社からの電話は開業以来始めてである。思わぬ話であるが、襟を正したい気持ちになる。数年前の私であったなら、やはり弱い人間ゆえ、「おいしい」ケースだとにんまりしたかもしれない。しかし今は違う。保険を食い物にしたら絶対いけない。保険会社の信頼を得るためには、今までどおり、以下に速く劇的に治すのかという姿勢を示す必要がある。もちろん個々の患者のケースで治療回数は異なることは避けられない。しかし、平均値でもカイロプラクティックのケアによりかなり劇的に早期に治す実績をつくって見せたい。現在はそんな気持ちである。


○本日のドラッカーの金言。「社会による救済の終り」。副題は「社会による救済への信仰が終わった後となっては、一人ひとりの人間の責任が主役となってもおかしくない」である。

これは自立と相互依存的協力の関係をどうつくるのかという問題であろう。自立は不可欠だが、自立した個人同士の協力関係も不可欠である。これは企業内においても企業間においても企業と社会の関係においてもしかりであろう。
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