部活は「週休2日以上」 埼玉県教委方針 公立中高、平日2時間に
7/14(土) 7:55配信 ・産経新聞
県教育委員会は13日、公立の中学・高校の「部活動の在り方に関する方針」を発表した。3月にスポーツ庁が公表したガイドラインに沿って「週休2日以上、平日2時間」などの基準を定めた。今回の方針では運動部だけでなく、文化部も対象にしている。一部では「活動時間が短いのではないか」との意見も出ており、県教委は部員数が多い部活など一部で、全体で2時間を超える運用も認めるとしている。(川上響)
◇
スポーツ庁は過熱しがちな運動部活動に所属する生徒の負担を軽減するため、各自治体に具体的な活動方針づくりを求めていた。県が示した方針は「週休2日以上で平日、週末それぞれ1日以上休養日を設けること」や「活動時間は平日2時間、土日3時間」としている。県が実施した平成29年度の調査では、平日の活動が2時間超の運動部は中学で15・7%、高校で59%だった。
方針策定に向けた県内教育団体や競技団体との意見交換会では「短時間で効率的な練習をする」との理念に大筋で合意したが、一部では「2時間は短い」との意見も出ていたという。上位入賞を目指す部活などでは全員が十分に練習できなくなる可能性がある。
学校によっては、学年やレベルなどに応じたグループ分けをして活動する部活もあるが、各グループで2時間ずつ練習し、全体で2時間を超えるような「弾力的な運用」は認めるとしている。一方、自主練習と称して、遅くまで練習するなど指針の抜け道にならないように、県教委はフォローアップする必要がある。
県方針の特徴としては(1)文化部も対象(2)ハラスメントや体罰の具体例を示している(3)Q&A形式の手引き添付-が挙げられる。吹奏楽部や合唱部など一部の文化部で長時間練習が行われているケースがあることから、文化庁も文化部活動の運用に関する指針を作ることを決めている。
県方針は同日、県立学校と各市町村教委に通知された。各学校は県方針を基に学校での方針を検討する。遅くとも年度内には全学校で実践する見通しだ。