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大震災から1か月。むかし読んでいた2冊の本を段ボール箱から取り出してきて改めて読み直してみました。 ひとつは『リアスの海辺から』。 タイトルにあるリアスとはスペイン語のリオ(川)に由来する言葉ですが、それは単なる川ではなく「潮入り川」を意味するそうです。 川によって削られた谷が地殻変動で沈下し、そこに海が入り込んできた姿をリアス式海岸といいますが、著者の畠山重篤さんはそのリアス式海岸の気仙沼市唐桑町で牡蠣や帆立貝の養殖業を営んでいます。 昭和40年代~50年代にかけて海洋生物を育てる力が落ちてくるなかで、畠山さんは海の環境を守るにはそこに注ぎ込む川を守ること、さらには水源となる森林を守ることに気づき、漁民による植林活動を始めた方として知られています。 本書は、著者が子どもだった頃の魚釣りの思い出や、海辺に暮らす人々の生活ぶりから始まり、その後20代で帆立貝の養殖を成功させたこと、そのホタテを追い続けているうちにスペインのリアスに至り、三陸の海岸が遥かスペインと繋がっていたことを描いています。 彼の始めた植林活動は「森は海の恋人」運動として多くの人々に支えられ、1994年には朝日森林文化賞を受賞されています。 畠山さんは養殖場や船、NPO法人の事務局などを、今回の大震災ですべて失ってしまったそうですが、数年先を見据えて再び立ち上がっていきたいと語ったという記事をどこかで読みました。 そのための支援も立ち上がったようです。 魚ランチ愛好者としては、「森は海の恋人」運動のみならず、日本の漁業再生のためにも協力をしていこうと思いました。 さて、今日ご紹介するもう一冊の本は、広瀬隆さんの『腐食の連鎖(リング)~薬害と原発にひそむ人脈~』です。 畠山さんの『リアスの海辺から』は読んでいて心がウキウキしてくるのですが、こちらの本は怖~い内容で気分が深く沈んでいくと同時に、原子力産業をめぐる業界と政治家の間に横たわる暗い闇に背筋が寒くなってきます。 とくに「第2章・地震と保険とエネルギーの正体」と「第3章・六ヶ所村と官僚の犯罪」では、地震による原子力施設への甚大な被害を予想し、一刻も早い防災対策とエネルギーの転換を指摘しています。 読んでいて楽しくなるわけではありませんが、再び気なる一冊です。 ところで、茨城県のウェブサイトには「原子力安全行政」というコーナーがあるのですが、そこに《各種イベントの開催 茨城原子力50周年記念事業を開催(H18.10.20~21)しました》という項目だけの記事が残っています。 4年半前のイベントなのでおそらく削除したのでしょう。でもこんなPDFを見つけました。 元内閣総理大臣中曽根康弘氏茨城原子力50周年記念講演会要旨です。 (以下は記録の一部) …実は一番処理が難しいと思ったのは損害賠償の問題、保険の問題があったのです。もし事故が起きた場合に何億か何兆か保障しなくてならない問題がある。電力会社だって限度がある。この問題は結論が出ないで検討課題であった。そのような状況で、八つの法案を通したものです… …大事な問題は、地震とテロに対する対策を万全に持っていることです。地震対策については、いろいろとやっておる。最近はビルの鉄筋がどうだこうだと問題が起きてますね。昔作った原子炉も30年近くなる、これは震度6とか7の地震が来た場合でも大丈夫かと。 私なんか一番心配したのは、静岡県の浜岡原発であります。あれは東海大地震が直下で起こった場合大丈夫かと。心配ですから、私は責任者を呼んで、その後の補強ぶりを聞いてみた、徹底してよくやっている様子であります。 他の原発自体も最初作ったときと、いまとは30年もたち条件が違っているわけです。ですから住民の皆さんの不安が無い様に、いままで作ったものに、もう一回厳重なる検査を行いながら補強工作を念のためにもやっておくと… ……… 被災地支援は・・・コチラから 「ハマる横浜中華街」情報はコチラ⇒ ![]() |
でも、立ち眩みが…