飛鳥田市長時代に創刊された『市民グラフ ヨコハマ』については前回の記事で書いた。細郷市長、高秀市長時代になっても『市民グラフ ヨコハマ』は継続して発行されていたが、しだいに面白みがなくなってきた。 高秀氏が市長に就任して2年目の第79号(1992年3月)の特集は「横浜昆虫図鑑」。これが出たときは「なんだこれは?」と思った。その後の特集は「横浜・新ハイキングノート」、「描かれた横浜・懐かしき原風景」、「横浜さわやか・ふれあい散歩」、「市民の森ガイドブック」、「横浜風物走馬燈」、「きらめく横浜の夕景・夜景」、「横浜 新・野鳥図鑑」、「横浜ミュージアムガイド」と続くのだが、どれも興味を惹くものではなかった。 そんな第79号が出た直前の1991年7月、横浜文化振興財団が設立され、『横浜文化情報誌』という雑誌の創刊準備号を出した。翌1992年4月、その創刊号が発行されたのだが、内容がなかなか面白かったのを覚えている。 もしかしたら『市民グラフヨコハマ』の編集者がこちらに異動したのではないかと、当時は思ったりした。この『横浜文化情報誌』は現在、私の手元には1冊もない。あの頃は「いつでも図書館で読めるから、別に自分で持っていなくてもいいや」なんて甘い考えでいたのだ。 ところがいま横浜市図書館で「横浜文化情報誌」、「横浜市」をキーワードにして検索しても1件もヒットしない。どうやら所蔵していないようなのである。 試しに神奈川県立図書館で検索してみたら、なんと創刊準備号から70号まで永久保存で残されており、閲覧できることが分かった。とりあえず良かったと思う。 トップ画面に掲載したのは1993年11月発行の第21号のコピーである。 この時の特集は「美空ひばり」だった。本文を書いていたのは読売新聞社の鈴木美潮記者だ。 どこかから古い写真を見つけてきたようだ。 美空ひばりが生まれた滝頭界隈を紹介するイラストもいい味を出している。 子どもの頃のなにげない普段の写真。 特集の次は小椋佳のエッセイも載っている。 この雑誌はページ数がそれほど多くはないものだったが、月刊で発行していたから編集者は大変だったと思う。 これがいつまで続いていたのかは分からないが、神奈川県立図書館で創刊準備号から第70号(1997年12月)まで揃っており、さらに早稲田大学の坪内博士記念演劇博物館図書室にも現存していることが判明した。 さて、この月刊雑誌がその後どうなったのか。まったく記憶にないのだが、神奈川県立図書館と早稲田大学の坪内博士記念演劇博物館図書室に所蔵されているものが、どちらも第70号(1997年12月)までということから考えて、おそらくこの年で終わったのだろうと思う。いや、そうではなく編集者が両施設に寄贈しなくなっただけで、まだ続いていたとも考えられるけどね。 ということで横浜市文化振興財団(現在の横浜市芸術文化振興財団)のあゆみを眺めてみると、1991年12月の項目に「横浜文化情報誌」発行(2007年よりヨコハマ・アートナビに改称)と記載されていた。 ということは第71号からあとも発行され続けており、2007年より「ヨコハマ・アートナビ」に改称したということらしい。読み物はなくなり、イベント情報中心の「ピア」みたいなものに変わっていったようだ。この頃は中田市長時代。 その後は2013年4月号をもって休刊していたが、7月より年3回発行の冊子としてリニューアル創刊された。それが今ではこんな感じになってしまっている。 さて、このあと中田市長時代にまた新しい雑誌が登場することになるのだが、それは後日に。 (つづく) ←素晴らしき横浜中華街にクリックしてね |
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