燻銀（いぶしぎん）

恋約指輪がスッカリ光沢が無くなり、黒ずんできました。

シルバー磨きでこまめに磨いていても、２、３日するとすぐに酸化？してしまう。


その指輪をみてかみさんは『燻銀』みたいですね。と言う。


燻銀
渋くて味わいのあるものの例え

広辞苑で調べてみた。


本気で思ったのか皮肉か分からないが、運良く『燻銀』という単語を覚えられた。


かみさんといると、色々な難しい単語を覚えられる。

歴史小説大好き文学少女で現役の某新聞社のスポーツ記事担当の記者もしている。


真面目さと文章力では一生かみさんに勝てる気がしない。


今日はその燻銀についての話




ここ２週間塾に来ていなかったヤンキー生徒が久々に顔を出した。

最近はまたいっそうタバコの匂いがキツくなった13歳。

そいつを教える俺は大のタバコ嫌い。


タバコをその場で吸っていなくとも、その人の周りにヤニが舞っている印象がある。
目がチカチカする。喉が痛くなる。

ゆえに、タバコを吸うというだけで、誰であろうと第一印象は格段に下がる。
次いでピアス、茶髪、お酒といった具合だ。


ＦＵＮを辞めた理由もホテルのバイトを辞めたのも、理由の一つはタバコを毛嫌いしているが故。


だが、いくらタバコが嫌いと言っても、この生徒を避けるわけには行かない。

巡り巡って受け持った生徒だ。


彼を応援する。


俺が中学生のときもこんな友達はいた。

いつの時代も優等生がいればヤンキーがいるものだ。

俺は彼の親でもなければ、生徒指導の先生でもない。

つまり、外で警察沙汰になってようが、酒飲もうが、タバコ吸おうが、注意する義務はない。

吸わない自由もあれば吸う自由もある。
それを規制するのは国であって俺ではない。


普通に彼とタバコの話をするし、彼もよく話してくれる

タバコを吸う姿はかっこよく見える。テレビやマンガの影響だろう。


本当に禁煙を促したければ、格好いい俳優の喫煙シーンは放送禁止にすべきだ。


タスポ導入の話もした。
中学生でも小学生でも本気でタバコを買おうと思えば簡単に買える。


その堂々とした手口を聞く。


彼らの話を聞くと、大学生の思考言動と被る。



面倒だからやらない
やりたいと思ったことは知恵を絞ってやる
考えるよりまずは体当たり


先生の言うことを聞いて、やりたくもない何の役に立つかも分からない勉強を机に縛られてやらせらている生徒よりか、

自分のしたいことを探して、やりたいこと楽しいことをして束縛を嫌う彼らの方が人間らしく感じてしまう。

人間というよりか、生物のあるべき姿だと感じる。


ある意味、本当に自分に正直だ。


タダ、日本においては、その考えは大学生なら受け入れられるが中学生は認めてもらえない。


肉体的にも経済的にも未熟な彼らは家畜のように従うしたない。


純銀のように綺麗でいるだけが全てではない、燻して黒ずませた銀も渋くて趣がでる。


同じ捻くれもの同士、イバラの道を歩んで行こう