cobady的創作生活

オリジナルで製作したテディベア(ぬいぐるみ)と
教室で誕生した生徒さんの作品をご紹介しています。

恋の公衆電話

2007-01-14 19:36:41 | ある日の出来事

ほとんどの人が携帯電話を持つようになって、

公衆電話が街から消えていっています。

今でも公衆電話を置いているところといえば、

駅・古いタバコ屋さん・それからNTTの前ぐらいでしょうか。

私はかつて、公衆電話にものすごくものすごくお世話になった1人です。

特にNTTの前にある車椅子でも入れる電話ボックス。

あれを見ると、今でも胸がキュンとします。

 

10代半ばの私の恋は、あの電話ボックスに詰まっているような気がする。

携帯電話なんてもちろんなかったあの時代。

家の電話は家族の集まるリビング(というか台所)にあった為、

とてもじゃないけど恋を語り合ったり出来る状況じゃなかった。

だけど寂しがり屋の私は毎日彼の声を聞きたい。

夜な夜なテレホンカードを握りしめ、電話ボックスに向かった。

NTTの前の公衆電話は、ちょっとした椅子がついていて、

長電話にはうってつけだった。

何十枚、何百枚のテレホンカードを消費しただろう。

今となっては何を話していたのか、これっぽっちも覚えてはいないけれど、

電話ボックスのガラスごしに見る夜の景色はキレイだった。

10代半ばの私にとって大人の汚さは耐え難く、

死への甘い憧れと孤独を抱えて、いつもギリギリのところで生きていた。

 

そんな私も今ではあの頃より倍も年をとって、

ただのドジでおバカな甘えん坊になりさがりました。

素敵なダーリンとも出会えたし、友達もいっぱい出来ました。

今なら、公衆電話で泣いている16歳の私を抱きしめてあげられる。

大丈夫だよって言ってあげられる。

大人が何と言おうと、その恋は正しいよ。

 

コメント (2)
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