日本酒をいただいた。
セトイチの純米吟醸。
山北町で育った僕にとって、酒匂川流域一帯は全体的に馴染み深い。
サイクリングコースが川沿いに伸びているから、
自転車であちこち走り回っていた。
なので足柄と言えば、そのまま、かつての地元と言い切れる。
けれど、隣町の開成に造り酒屋があるってことを聞いて、本当に驚いた。
僕はそのことをまったく知らなかったから。
「あの瀬戸屋敷ってあるじゃないですか。
そこのすぐ近くにあるんですよ〜!」
ふっくん(ルカちゃんのお父さん)から、いつも英語を面倒見てもらってと、
そのお礼ということでステキなお酒を2本も頂いたいのだが、
僕の知らなかった造り酒屋が存在することを知って、
とても驚いたし、同時に嬉しくもなった。
来客も予定されているので、すぐには飲まずに
2週間ほど、眺めていた。
いよいよ飲んでみよう!となって、グラスに注いでみると、
なんだかいい感じ♪
香りはスッキリしているけど、味はしっかりしていて、
飲みごたえがある!
「いいお酒を造ったんだな〜♪」と感心するのだが、
感心したのは味のことばかりではない。
内封のリーフレットによれば、
瀬戸酒造店さんは慶応元年創業の造り酒屋だが、
1980年に醸造をやめてしまったとのこと。
それを2018年に復活させたのだそうだ。
どうりで、僕がまったく知らなかったわけなのです。
長らく中断していたが故に、造りとしては
まったく新しいお酒になっていると想像するのですが、
お酒のネーミングにその心意気が表れているような気がします。
いただいた「手の鳴る方へ」に連なるシリーズには
「はるばる」「音も無く」「風が吹いたら」など、
ちょっと詩心を感じさせる名前が与えられている。
「月が綺麗ですね」とか、夏目漱石を思い出させるし。
まだ開けていない「あしがり郷 零号」も大いに楽しみ♪
あれこれ、いいお酒をいただいてきましたけど、
本当にうまいお酒に出会うと、その地域の皆さんのことを
心の底からうらやましいな〜って思ってました。
ただ造るというに留まる話ではないからです。
それを愛し育ててきたという背景が必ずある。
地元にいいお酒がある!っていうのは、いいものですね。
このお酒が、ずっとずっと続いていくことを心から祈るのですが、
微力ながら、僕も協力したいと思っています。