それにしても眠れないのだ

日々の眠れない出来事を虚実織り交ぜて

それにしても「ウェブトゥーンよりジャポニズムなれ」なのだ。

2024-11-03 15:48:59 | Weblog
 ウェブトゥーンという物がある。これは韓国発のマンガ形態の事で、コマが縦に並んでいるからスワイプしやすくて読みやすくてスマホ、デジタル機器に適している・・・と謳っていて、韓国はこれをもって日本のマンガ人気を追い越す・・・というか、征服する事を目標としているとか。
 韓国が日本のマンガを敵視するのは今に始まった事ではなく、2000年代までマンファという韓国系マンガを推していて、「“マンファ”こそがマンガの元祖」とうそぶき、日本に世界に打って出ていた。けど、ろくな成果が出ないうちに、世の中にデジタル書籍が増えてきた頃、マンファの名前を一切捨ててウェブトゥーンへネームロンダリングしたのだ。
 ウェブトゥーン誕生後、業界の頑張りもあってか売上は段々と伸びていき、コロナ禍で急成長し、その頃「10年後は4兆円産業になる」とまで言われた。が、ここ1、2年は伸びどころか衰退模様で、大手10社中8社が赤字で、ヨーロッパや東南アジア、中国などに国際展開していたとこは、撤退が相次いでいる。現在の主な稼ぎ場は、韓国と日本だ。とはいえ、日本のマンガ読者がウェブトゥーンやウェブトゥーン作品を楽しみに課金しているわけではなく、そこで読める日本のマンガを主目的とした結果でたあったりする。
 そもそも、ウェブトゥーンに対する日本人の一般的な評価は、「つまらない」「絵や演出にメリハリがなく読みづらい」「話が既読感がある物ばかりでつまらない」といった感じの物が多い。公表しないので分からないが、各社で読まれている作品、課金されている作品のTOP100は、大体日本のマンガだろうと言われている。
 ところで、日本の出版会社はこのウェブトゥーンをどう見ているかというと、概ね迎合している感じだ。各社が、ウェブトゥーンに自社の作品をガンガン提供しているし、ある漫画誌ではウェブトゥーンの描き方講座を載せていたりする。どうもわざわざウェブトゥーンの土俵に上がろうとしているきらいがある。
 筆者は、この状況を苦々しく見ている。ま、出版会社からすれば、労せずして掲載料が手に入る儲け話で、ウェブトゥーンはマンガの完全下位互換だから、ウェブトゥーンは絵や話が魅力的でないから人気がないのなら、マンガ仕込みのテクニックで簡単に上回る作品ができるだろう・・・と目論んでいるのか、それは分からない。でも筆者的は、出版会社には、もっと気概を持ってマンガを高める方向で考えて欲しいと思っているのだ。
 大体からして、相手は日本のマンガを駆逐したいと思っているのだ。それを利用してお金儲けをするのも一つだけど、相手も相当儲けさせて調子に乗らせるのは、悪手でしょ。もしタテヨミ形式が本当に良いと思ったなら、自社でアプリを作って、そこで展開すれば良いだけだ。マンガの見開きを制御するプログラムより、遥かに簡単に作れるでしょ。そして、「○○が読めるのはこのアプリだけ」とした方がよっぽど良いだろう。ディズニーが、ディズニープラスでどれだけ儲けているか、知らないはずない。
 日本の出版会社には、かつて言われた『ジャポニズム』を超意識した物作りと展開を考えていただきたい。下手に世界を意識しせずに、日本味ガラパゴスを極めたとしても、この情報化社会は勝手に情報を拡散する。「ジャポニズム、オリエンタルマジック、バンザイ!」と言って、自ずと買いに来るのだ。作品の文字や会話の現地語翻訳は必要だけど、業者が「名前などのローカライズを許可しないなら買わない」って言うなら、売らなくて良いだろう。ファンは、原作に忠実な物の方が嬉しいのだ。
 現在、日本の出版業界は不興で、どこの会社も年々縮小傾向にあるらしい。で、そんな会社を支えているのは、マンガだそうな。で、あるなら、各社はマンガを粗製濫造・海外迎合するのではなく、もっと一つ一つを大事にするべきだ。実は、中国もマンガ業に力を入れていると聞く。ただ、異世界転生を含め、規制がかなり厳しいとも聞く。でも、いつ名作が飛び出してくるか分からない。で、それが来たとしても負けないよう日本も名作、大作を連発できるよう頑張っていただきたい。・・・なんて事を考えていたら、今日は眠れないかもしれない。

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