くるみが来るまで 1

くるみがうちに来てから２年が過ぎました。

ある日、突然母が脳出血で倒れて
その後、１年と数ヶ月、
寝たきりで入院生活をしていたのですが、
倒れてから話ができないまま、亡くなりました。

葬儀や家の片付けやら、忙しい時期が過ぎた頃、
倒れてから、母は何を思っていただろうとか
母の声が聞きたかったなとか、
母のごはんは美味しかったなとか、
いろいろな気持ちが押し寄せてきて
母を思うとさみしくて…

猫か犬が居たらなと、
思いました。

結婚した頃、主人に猫を飼いたいと言ったことがありました。
でも、主人の両親は、人より命が短い動物は、
必ず先に亡くなってしまうものなので、
見送ることは辛いだろうと
今でいえばペットロスへの恐れから、
動物を飼うことには否定的だったようです。

主人もそのような話を聞いていたので、
子供の頃から動物を飼ったことがなく、
また、自分で飼いたいと思ったりしたことも
ほとんどなかったそうです。

だから動物を飼うのはあまり…と、
渋られたのでした。

でも、もう一度、猫か犬を飼いたいな、
と言ってみたら、

猫はちょっと…犬ならいいよ、
と、言ってくれました。

えー！本当に？
動物、飼うのはイヤなんじゃないの？
大丈夫？

まぁ…でも、いいよ。

犬はお散歩しないといけないから、大変だと思うけど？
猫のがいいんじゃない？

いいよ、
朝起きて会社に行く前に散歩するよ。

えー、起きれるの？
なかなか朝起きれないじゃない？

飼っていいって言ったんだから、
ちゃんと行くよ！

そう？本当にいいの？

いいよ。
だって、犬が居てくれたら、さみしくないよね？

ありがとう！！！
犬、探すね！


私は、実家に猫がいたので、本当は犬より、
また猫が飼いたい気持ちがありました。
でも、動物を飼うことには
小鳥でも、ちょっと…。
と言ってた人が、

犬を飼ってもいいよ、
と言ってくれたので、
とてもとても嬉しかったのでした。

私は、子供の頃に犬を飼って居ましたが、
今のように室内で飼ってるお家も
少ない頃でしたので外犬でした。

その犬は、私が学校の帰りに、
仔犬の生まれたお家から、可愛くて、可愛くて
貰って帰ってきてしまった犬でした。

ちゃんと世話します、と言ったはずですが…
結局、自分ではほとんど世話らしい世話は
しておらず
犬の世話のほとんどは母がしていました。

それなので、自分で犬を飼うのは
初めてと言っていいかと、思います。
それで、
犬を飼うことには多少の不安はありましたが、
うちに来てくれる犬探しを始めました。