久しぶりに長編小説読了。
石田衣良氏の池袋ウエストゲートパーク番外編赤・黒です。
おなじみのIWGPシリーズの番外編です。
主人公はIWGPシリーズの誠ではなく、小峰という33歳の映像ディレクター。
誠より崩れた性格だが、読み方によっては10年後の誠を予感させるものもあるかもしれません。
小峰は映像作家としての自分の未来に自信が持てず、つい悪の道に踏み込んでしまいます。詳しくは述べないですが、不運が重なり最悪の自体を招いてしまいます。
その窮地をなんとか悪戦苦闘しつつしのいでいく、クライムアクション小説です。
主人公小峰は表面的には凡庸なキャラクターです。しかし、そんな小峰の周りには第一級のプロというか、すごい技術や力をもった脇役がたくさん出てくるんです。
そしてプロフェッショナル達がなぜか、この凡庸な主人公に一目置くことになってしまうんです。
この小説の面白さが、ストーリーの面白さにもあるのはいうまでもないですが、凡庸な主人公の一途さと時折見せる大胆な発想が、周りのプロフェッショナルたちを、いつの間にか引っ張りまわしてしまう展開が痛快です。
スーパーマンが超能力で快刀乱麻の活躍をする爽快さではなく、読者と同じようなレベルの凡人が発想力+人柄という、目に見えない魅力でプロたちを動かし、窮地を脱していくという展開なんです.他力本願といえば他力本願だけど,その場に必要な能力が自分には無いのに,人(他のプロ)を動かすことでそれををやってしまうってすごいですよね.ひょっとして経営者としてはすごいかもね.
IWGPシリーズでおなじみの暴力団日高組のチンピラ「さる」やストリートギャングのキング「タカシ」などが重要な役回りで出てきます。これが番外編のいわれですね。
このシリーズでもうひとつ重要な役割を担っているのは、池袋という「街」です。
やくざ、風俗営業の店、ストリードギャング達が、決して明るい未来があるわけではないが,なぜか、活き活きと描かれています。人生の目的がマイホームや年金の額ではないと思わせる何かがこの小説にはあります。池袋という街に対する興味をいやがおうにも掻き立てられます。
池袋区長さんは区民栄誉賞を作者の石田衣良氏に贈るべきである。ははは。
ところで、クラシック音楽が効果的に状況描写をサポートしています。小説だから、音が聞こえるわけはないのですが、知っている曲は勿論、たとえ知らない曲でも、なぜかその曲を聴いた気になってしまう。実に不思議な感覚。
石田衣良氏の池袋ウエストゲートパーク番外編赤・黒です。
おなじみのIWGPシリーズの番外編です。
主人公はIWGPシリーズの誠ではなく、小峰という33歳の映像ディレクター。
誠より崩れた性格だが、読み方によっては10年後の誠を予感させるものもあるかもしれません。
小峰は映像作家としての自分の未来に自信が持てず、つい悪の道に踏み込んでしまいます。詳しくは述べないですが、不運が重なり最悪の自体を招いてしまいます。
その窮地をなんとか悪戦苦闘しつつしのいでいく、クライムアクション小説です。
主人公小峰は表面的には凡庸なキャラクターです。しかし、そんな小峰の周りには第一級のプロというか、すごい技術や力をもった脇役がたくさん出てくるんです。
そしてプロフェッショナル達がなぜか、この凡庸な主人公に一目置くことになってしまうんです。
この小説の面白さが、ストーリーの面白さにもあるのはいうまでもないですが、凡庸な主人公の一途さと時折見せる大胆な発想が、周りのプロフェッショナルたちを、いつの間にか引っ張りまわしてしまう展開が痛快です。
スーパーマンが超能力で快刀乱麻の活躍をする爽快さではなく、読者と同じようなレベルの凡人が発想力+人柄という、目に見えない魅力でプロたちを動かし、窮地を脱していくという展開なんです.他力本願といえば他力本願だけど,その場に必要な能力が自分には無いのに,人(他のプロ)を動かすことでそれををやってしまうってすごいですよね.ひょっとして経営者としてはすごいかもね.
IWGPシリーズでおなじみの暴力団日高組のチンピラ「さる」やストリートギャングのキング「タカシ」などが重要な役回りで出てきます。これが番外編のいわれですね。
このシリーズでもうひとつ重要な役割を担っているのは、池袋という「街」です。
やくざ、風俗営業の店、ストリードギャング達が、決して明るい未来があるわけではないが,なぜか、活き活きと描かれています。人生の目的がマイホームや年金の額ではないと思わせる何かがこの小説にはあります。池袋という街に対する興味をいやがおうにも掻き立てられます。
池袋区長さんは区民栄誉賞を作者の石田衣良氏に贈るべきである。ははは。
ところで、クラシック音楽が効果的に状況描写をサポートしています。小説だから、音が聞こえるわけはないのですが、知っている曲は勿論、たとえ知らない曲でも、なぜかその曲を聴いた気になってしまう。実に不思議な感覚。