これもなかなかいけますよ。謎めいた雰囲気を最後まで保ち続ける乃南ワールド。恩田陸さんにも通じるものがありますが,でもやっぱり独自の世界です.
3人のヒロインが登場します。平凡なOL生活の心の隙間を埋めるかのように複数の男性の間を渡り歩く亜理子、幼いころの初恋の相手によく似たボーイフレンドを得ながら、なぜか、明らかにうそとわかる作り話を繰り返す恵美、現実的でクールな一面を見せながらも、ひんぱんに手を洗う癖のある梨紗。
この3人は幼なじみであり、実は決して他人に話せない秘密があります。小学校時代に別れ別れになった後、10年ぶりに再開するところから物語は始まります。恵美がボーフレンドの哲士を亜理子と梨紗に紹介するんですけど、なんと哲士は3人の隠された過去に密接なつながりをもつ、幼なじみの男の子にそっくりなのでした。恵美はなぜ、「あの男の子」にそっくりなボーイフレンドを見つけたのか?その真意は何なのか?3人の隠された過去とは何か?
現在進行形の不可思議な四角関係物語を縦糸として、幼いころの3人に起こった悲しく恐ろしい出来事を横糸として、2つの物語がページを進めるほどに複雑さを増しつつ展開します。最後には2本の糸がつながる劇的な過去が明らかになるというしかけです。
ところで、この小説と前に報告した「凍える牙」は一見、同じ作者とは思えないほど作風が違います。「凍える牙」は、2人の男女の刑事の心理描写を徹底的に描きこんでいたのに対し、「水の中の2つの月」は心理より、場の雰囲気とかストーリ展開に多くの筆が使われているように見えます。しかし、誰の視点で表現しているかを場面ごとに変える手法は乃南アサさんならではのものですし、表現の端々に乃南ワールドを感じます。
この小説は以前に読んだ中では、恩田陸さんに近いものを感じます。皆さんのご意見をお聞かせくださいね。
3人のヒロインが登場します。平凡なOL生活の心の隙間を埋めるかのように複数の男性の間を渡り歩く亜理子、幼いころの初恋の相手によく似たボーイフレンドを得ながら、なぜか、明らかにうそとわかる作り話を繰り返す恵美、現実的でクールな一面を見せながらも、ひんぱんに手を洗う癖のある梨紗。
この3人は幼なじみであり、実は決して他人に話せない秘密があります。小学校時代に別れ別れになった後、10年ぶりに再開するところから物語は始まります。恵美がボーフレンドの哲士を亜理子と梨紗に紹介するんですけど、なんと哲士は3人の隠された過去に密接なつながりをもつ、幼なじみの男の子にそっくりなのでした。恵美はなぜ、「あの男の子」にそっくりなボーイフレンドを見つけたのか?その真意は何なのか?3人の隠された過去とは何か?
現在進行形の不可思議な四角関係物語を縦糸として、幼いころの3人に起こった悲しく恐ろしい出来事を横糸として、2つの物語がページを進めるほどに複雑さを増しつつ展開します。最後には2本の糸がつながる劇的な過去が明らかになるというしかけです。
ところで、この小説と前に報告した「凍える牙」は一見、同じ作者とは思えないほど作風が違います。「凍える牙」は、2人の男女の刑事の心理描写を徹底的に描きこんでいたのに対し、「水の中の2つの月」は心理より、場の雰囲気とかストーリ展開に多くの筆が使われているように見えます。しかし、誰の視点で表現しているかを場面ごとに変える手法は乃南アサさんならではのものですし、表現の端々に乃南ワールドを感じます。
この小説は以前に読んだ中では、恩田陸さんに近いものを感じます。皆さんのご意見をお聞かせくださいね。