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ドボルザーク チェロ協奏曲ロ短調 Vc堤剛 コシュラー指揮,チェコフィル

2006年06月16日 23時34分08秒 | 音楽
携帯に何を録音しようかなあと思いながら,手持ちのCDをいろいろ探していて,ふと目に留まりました.
この曲,ベートーベンやチャイコフスキー等の人気作曲家がチェロ協奏曲を作らなかったという幸運もあり(?),古今のチェロ協奏曲の中で人気ナンバーワンの曲ですね.
チェロという楽器,とても人気があるにもかかわらず,協奏曲が少ないです.
例えば,同じ弦楽器でも,バイオリン協奏曲なんて,モーツアルト,ベートーベンという古典派から,ブラームス,チャイコフスキー,メンデルゾーン,ブルッフ,サンサーンスなどのロマン派,ハチャトーリアン,ショスタコビッチ,プロコフィエフのような近代までほとんどの名のある作曲家が曲を残しています.
でも,チェロ協奏曲はドボルザーク以外では,バッハ,ビバルディ,ハイドン,ボッケリーニくらいしか知られていないんですね.
多分,チェロは独奏楽器としてオケと張り合うような楽器とは認識されていなかったんでしょうね.いわゆる名人や達人が少なかったせいでもあると思います.
そんな,曲が少ない中で,よくぞこんな名曲が生まれたものだと思いたくなるほど,すばらしい名曲中の名曲が,このドボルザークのチェロ協奏曲ロ短調です.
CDもたくさん出ています.これ一枚と言われたら迷ってしまいます.ロストロポービッチ,ジャクリーヌデュプレもすばらしいです.ですが,今日は,日本の誇り,堤剛氏の一枚をご紹介します.
豪放磊落な外見からは想像できない(失礼!)繊細で,ある意味女性的といえるほど,細やかな情感を歌い上げている感じがします.
迫力より,民族的な旋律と和声をくっきりと際立たせ,これぞドボルザーク,これぞチェコの民族音楽という原点を感じさせる演奏だと思います.
ロストロポービッチだと,そのあまりの上手さに,気が付くとドボルザークではなくてロストロ節を聴いている気になってしまう.ジャクリーヌデュプレだと,激情的な歌い上げにオペラのアリアを聴いている気になってしまう.つまり,ロストロやデュプレの場合,民族的作曲家としてのドボルザークの本来の魅力が,少し影を潜めてしまうんですね.
それに比べると堤さんは,曲本来の魅力を最大限に引き出して,とっても安心して聴いていられる.
実は,私は若い頃(30代後半くらいかな)までは,ロストロ信奉者でして,彼の演奏は何でも最高だと思っていました.今なら「ヨーヨーマが最高だよ」というのと似ているかもしれません.でも,50をだいぶ前に過ぎた今,上手いのはもういいや,っていう気になることが多くなりました.
上手さより,自然,ナチュラル,素材の良さというか,曲本来の魅力を生かした演奏がいいなあと思うようになったんです.
これも年のせいだと思います.
よろしかったら,皆さんも聴いてみて下さい.
コメント (4)
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