下呂市馬瀬・岩屋ダム
「小人閑居して不善を為す」、暇でしかたがないし、天気は良いし昨日はホームコースへ練習に行きました。朝11時頃喫茶店でモーニング、それからゴルフ場へ、先客が2人似たような年寄りです。車はほどほどに満車、最近コースが良くなってお客が増えています。
2時間が少しタイムオーバーし、翌日はコンペなので球は少し残し切り上げました。先客の1人はほとんど残し、もう1人も汚れた球を選り分け残して帰りました。残った球はせめてみかん箱に入れて帰ればいいものを、マット上に散らかしたまま帰ってしまい、その後始末、タバコの吸殻拾い等、残ったみかん箱3つを小屋の前まで運んで始末といつも手伝ってきます。
帰りはスーパーで買い物のためいつも通る、倒産した岐阜中央カントリークラブの西端、小山の峠の途中で、道端に人が倒れていました。上半身は道路上に半分ほど出て仰向けに寝ていました。広くもない1車線で危ないなぁ、暑かったので草取りでもしていて変な格好で休んでいるのかと通り過ぎ、20mほど行っておかしいと車を止め降りて戻りました。
「お爺ちゃんどうかしたの」
「えらくて動けなくなった」
「何!それは大変、誰か助けを呼ぶからそのまま寝ていて」
近くは小団地になっていて、倒れていた老人は団地から外れ更地の屋敷2枚ほどを過ぎたところに寝て仰向けです。
車を止めたところの両側は民家が連なるので、どの家に助けを求めようかと戻る途中、倒れた老人が呼び、自宅は峠を越してすぐのラブホテルの手前だという。手押し車はえらくて押せず自分が車を止めた反対側に置いてあって、歩いて帰ろうとして倒れたという。
「とにかくそのまま寝ていて」 と民家まで戻り呼び鈴を押した。
こういう時は中々すぐに反応しない、会話できない頼りない単なるチャイムを2度3度押した。
ようやく奥さんが顔を出された。事の経緯を話し助けてと話しているところへ、折り良くクロネコ大和の宅配トラックが来た。手を振って止め
「そこの民家の老人なので、家人に連れに来るよう、言ってほしい」
と頼んだら、クロネコはその家へ宅配だという。好都合だ。
奥さんは一旦家に入った。老人のそばで待っていると、体を起こして欲しいと頼むので半身を起こしコンクリート壁を背もたれに座らせた。靴を履いていない。靴下だけだった。手押し車に入れたままだといい、杖が傍に倒れていた。
脳卒中なら動かしてはいけないと瞬間的に判断したが、言語は明瞭なので最初に上半身を起こして道路上から退避させるべきだったと後から思った。夜間だったらとぞっとした。
通過した車2台ほどは皆自分が跳ねたのかと顔を見ながら通り過ぎた。
クロネコが戻ってきて家人は留守だという。困ったなと話していたら、奥さんは日傘を広げて主人も応援に来てくれた。
自分はてっきりお爺ちゃんと呼んでいた老人は実はお婆ちゃんで、お爺は最近亡くなったのだと主人は言い、ついさっきここを歩いていたのを見たと言う。
手押し車に乗せて家へ送るといってくれた。お婆ちゃんベンツは電動でもないのに押すと結構重い。押すのに力が要る、こういう作りなのか、倒れたお婆ちゃんも重いからと言った。奥さんは日傘を差しかけ主人が老人を乗せ送ってくれることになった。その家は見えているし距離わずか50mほど。ところが峠で傾斜が強い。
クロネコも運んできた宅配を受け取って貰えるとまた戻るという。ヤレヤレ、主人と奥さんに後を頼んで辞去した。
すぐ数百メートル先の信号機の国道を越えてスーパーへ入った。 夕方のテレビでは全国的に熱中症が発生していた。
小さな人助けをやった。今日のゴルフはきっといいかもしれない。小人閑居して善を為し、大難を小難に納めたのだから。
君子必慎其独也 小人閑居為不善 は、ことわざとして意味を取り違えて解釈しているそうだ。その1、その2 の達見を参考にしてください。
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